朝日新聞デジタルも掲載……仮想通貨ライトコインの提携フェイク報道騒ぎ

米ウォルマート「偽のプレスリリース」が発端

世界最大手のスーパーマーケット、米ウォルマートが仮想通貨ライトコインと提携し、店舗での支払いを認めるとロイター電が発したものの、直後にプレスリリース自体がフェイクだと発覚する騒ぎが13日、起きた。日本のメディアでもロイターの日本語版のほか、朝日新聞デジタルがロイターをソースにした記事を配信している(14日4時時点で掲載中)。

shaunl /iStock

ライトコインは2011年に開発。仮想通貨情報サイト「Coin Market Camp」の集計データでは、ビットコインなど上位100の仮想通貨と比較した時価総額(過去7日間)は7位に位置付けている。米東部時間でこの日朝(日本時間深夜)、偽のプレスリリースがニュースリリースの大手サービス「GlobeNewswire」を通じて配信。リリースにはダグ・マクミロンCEOが次のようにコメントしたとも伝えていた。

「仮想通貨の利用をめぐる勢いと興奮は否定できない。我々は顧客がオンラインショッピングを簡単に行えるようにする準備している(原文:The momentum and excitement around the use of cryptocurrency are undeniable, and we are poised to make online shopping easy for our customers)」

リリースを受け、ロイターが速報し、日本でも朝日新聞デジタルが配信した。

朝日新聞デジタルより(9/14 AM4:00)

報道を受けてライトコインの相場は27%余値上げしたが、ウォルマート側が報道を直ちに否定。ライトコインの公式ツイッターも一時興奮気味に反応したが、まもなく削除。ことの経緯を説明する声明文を緊急リリースした。「フェイクニュース」が明らかになるにつれ、ライトコインはすぐに値下がりした。

これまでも世界中を巻き込んだフェイクニュースの騒ぎはあったが、今回はプレスリリース自体が捏造で、大手の配信サービスを使って既存メディアが速報するという異例の現象だった。「GlobeNewswire」側は13日昼過ぎ(日本時間14日未明)の時点では、コメントを避けているようだが、日本でも同様のサービスが普及しているだけに対岸の火事とみなせないかもしれない。

 

関連記事

編集部おすすめ

ランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

人気コメント記事ランキング

  • 週間
  • 月間

過去の記事