【独自】横浜市・山中竹春市長の経歴詐称を示す“決定的証拠”を入手
「タケハルヤマナカの肩書きはVisiting Fellowです」- 横浜市の山中市長の経歴詐称疑惑、記者がNIH付属機関に取材して得た新証拠は?
- 山中氏「リサーチフェロー」、NIHでのデータ「ビジティング・フェロー」
- アメリカから帰国後に大病院や横浜市立大学教授を歴任。採用時の経歴は適正か?
横浜市の山中竹春市長は、自身のプロフィールで2002年〜2004年までアメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health、略称はNIH)で、「リサーチ・フェロー」として働いていたと公言していた。だが、選挙期間直前に「リサーチ・フェロー」の表現を突如削除し、現在は「研究員」と表現している。NIHは1887年に設立された、アメリカを代表する医学研究の国家的拠点。

NIHからの取材回答
山中市長は、本当に「リサーチ・フェロー」だったのか。山中市長が属していたNIHの付属機関「アメリカ国立環境健康科学研究所(National Institute of Environmental Health Sciences、略称はNIEHS)」に電話とメールで問い合わせると、メールで以下の返答があった。
「こちらが私たちのデータベース上にあるヤマナカタケハルの情報です。正式な肩書きは“ビジティング・フェロー”です。研究所で働いていました。(Here is the information about Takeharu Yamanaka in our database. His formal title at NIEHS was “Visiting Fellow”. He worked in a research laboratory.)」

メールには山中市長について説明した表が添付されていた。「ビジティング・フェロー(Visiting Fellow)」という肩書きのほか、気になったのは在籍期間である。メールには、開始日が2003年11月1日、終了日2004年6月30日、ポスドク期間が8か月と書かれている。
これまで、山中市長は自身のプロフィールでNIHには2002年〜2004年までリサーチ・フェローとして在籍していたと明言している。NIHの回答を見る限りは、肩書きも違えば、在籍期間もまったく異なっている。
「リサーチフェロー」ではなかった
山中市長が過去に公言していたプロフィールは、ネット上にアーカイブが残されている。
研究者のプロフィールや論文を集積するデータベース「リサーチ・マップ」では、山中氏のプロフィールは「2002年―2004年 米国国立衛生研究所(NIH)リサーチフェロー」と明記されていた。リサーチマップは文科省所管の科学技術振興機構が運営するもので、極めて公的なデータベースである。

また、和歌山県立医科大学附属病院が2017年に主催した研究者向けのセミナーでも、同様に紹介されている。
ビジティング・フェローとは、一般的に「客員研究員」と訳され、非常勤の研究員を指す。常勤の研究員を指すリサーチ・フェローとの違いは明白である。NIHの公式サイトのそれぞれのページを確認すると、リサーチ・フェローとビジティング・フェローは明確に分けて説明されており、扱いが完全に異なる。リサーチ・フェローについては
「リサーチ・フェローは博士号を取得しており、期間限定かつ更新可能な任命を受けているNIHの従業員です」
「リサーチ・フェローの候補者は、卓越した学術成果と、最小の監督でプログラムを成功させる能力が必要です」
「リサーチフェローは、NIH施設で健康に関する研究を行うために任命された米国市民、米国永住者(グリーンカード、居住外国人)、または有効な就労ビザを持つ非居住外国人です」
「リサーチ・フェローは、フルタイム換算の雇用ポジションです」
などとある。一方、ビジティング・フェローの説明はこうだ。
「ビジティング・フェロー(VF)プログラムにより、世界中の科学者が関心のある研究分野でNIHの上級研究者と協力する機会を得ることができます(編集部注:ビジティング・フェローは研究者としては上位ではない)。このプログラムは、非移民の外国人参加者に、発展的なトレーニングや実践的な研究経験の機会を与えるために設計されています。学習分野は、バイオメディカルや医学図書など多岐にわたります」
「ビジティング・フェローの参加者は非米国市民で、連邦機関から発行された労働許可を所持しています」
「ビジティング・フェローはフルタイム換算ではない雇用ポジションです」
両者を比較すると、リサーチ・フェローが経験豊富な常勤の研究職であるのに対し、ビジティング・フェローは非常勤であり、外国人研究者に対する研修やトレーニングの性格が強いことが分かる。なお、山中市長が博士号を取得したのは2003年だ。
そしてNIHの付属機関に問い合わせた結果は、上記の通り「ビジティング・フェロー」だった。山中氏が自身の経歴について、「リサーチ・フェロー」だとウソをついていたことは、明白だ。
市長が負う説明責任
特に問題なのは、アメリカ帰国後の山中氏が、「NIHリサーチ・フェロー」の経歴を引っさげ、詐称を続けていた可能性がある点だ。国立がん研究センター部長、横浜市立大学教授などの地位を得る上で、「NIHリサーチ・フェロー」の経歴が役立ったことは、想像に難くない。
山中市長は8月末の就任記者会見で、「研究員をやっていたことに詐称はない」と繰り返した。記者(私)が「リサーチフェローだったことは事実か?」と質問しても、明言を避け続けた挙げ句、最後は「言葉の問題、使い方の問題」と濁した。
「2年間のリサーチ・フェロー」と「8カ月間のビジティング・フェロー(客員研究員)」では完全に意味が異なり、これは言葉遣いの問題などではない。山中市長は17日、2度目の記者会見に臨む予定だが、深まった経歴詐称疑惑について、どう説明するのだろうか。
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