【連載】新聞社の黒歴史に迫る #2 営利追求、首相とメシ自慢…今も息づく「新聞資本主義」

『言論統制というビジネス』著者、里見脩氏に聞く
ライター・編集者
  • 戦争を煽ったのに戦後は軍部批判。里見氏「新聞資本主義というべき体質が残る」
  • 現代もコロナ禍の東京五輪開催に反対したのに、開催後は「日本選手頑張れ」
  • 戦時期の言論空間がどう形成され、いかに影響を残したか。里見氏が指摘する

戦時期のメディアの「黒歴史」に迫った新刊『言論統制というビジネス―新聞社史から消された「戦争」―』(新潮選書)が注目される里見脩さん(元時事通信記者、大妻女子大学人間生活文化研究所特別研究員)への連続インタビュー。2回目は戦時中から今も息づく、業界独特の「新聞資本主義」について迫ります。(全3回の2回目)

戦前ドイツの報道機関は全廃、日本は焼け太り

――「新聞が戦争を煽った」「その反省もなく、戦後は他人事のように軍部批判を繰り返している」という新聞社批判は今もあります。新聞社のそのしれっとした態度が批判されるのは仕方ない気もします。現に『言論統制というビジネス』でも指摘があるように、戦後、ドイツの報道機関は新聞を含め、すべてお取り潰しになった。一方で日本のメディアは存続しています。

【里見】業界主義、新聞資本主義というべき体質も残っていますよね。

――例えば消費税増税時の「軽減税率」対象に新聞を入れろという働きかけ。各社が自身の利益を最優先し、一致団結して政府に何らかの圧力をかけようという新聞社の「横並び体質」は、私がいた出版業界にはないものなので驚かされます。

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