中国が仮想通貨全面禁止で市場暴落も、藤巻氏「抑え込めるのか」疑問視

「利便性があるのに」中長期的に疑問

中国人民銀行が24日夕、仮想通貨の利用や取引、関連事業など全面的に違法とする方針を明らかにした。中国国内の自国民が海外の取引所からネットを介して取引することも禁止するという。

BeeBright /iStock

中国の仮想通貨禁止は、デジタル人民元の本格的な導入の前触れとみる向きが強く、一部では以前から規制の厳格化の予測もあったが、突然の発表にビットコインは発表直前に約497万円だった相場が3時間で約460万円にまで下落。リップルが約6.%、イーサリアムが約8%、それぞれ下落するなど全面安の展開になった。相場が混乱し、仮想通貨の投資家ユーザーからはツイッターで悲鳴の声もあがった。

今回の規制について、仮想通貨の有用性を主張してきた藤巻健史氏はサキシル編集部の取材に対し、「どの政府にとっても仮想通貨は嫌な存在だし、確かに中国が規制することで一時的にはマイナスになるが、仮想通貨は銀行がなくても決済ができ、貿易には強いことに変わりはない」と冷静な見方を示す。

さらに藤巻氏は「ハイパーインフレになった国の国民が、自国の法定通貨よりドルを使うのと同じように避難通貨としての意味もある。中国としては、人民元のデジタル通貨を使わせたいのだろうが、これだけエフィシェント(効率的)で貿易決済として利便性のある仮想通貨を、国の権限で抑え込めるのか」と述べ、中国の禁止措置が中長期的に見てうまくいくのか疑問を呈していた。

一方、中国の政治経済に詳しい中川コージ氏はツイッターで「デジタル人民元の社会実装までの道のりが磐石になって、かつ仮想通貨(暗号資産)が当局のコントロール可能な「投資商品化」するならば将来容認の可能性もアリというところ」との見方を示していた。

 

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