山中竹春市長の横浜市立大への不当圧力疑惑、ついに記者クラブも報道!
郷原氏の請願、市議会で審議。攻防戦の模様は?- 山中氏が横浜市長選出馬に際し、市立大学に圧力をかけたのか?市議会で審議
- 審議での圧力の認識をめぐる「攻防戦」。理事長が本当に圧力を感じていたか?
- 審議の模様は、記者クラブもついに報道。本サイトは独自情報交えて審議を検証
横浜市議会は9月24日、「政策・総務・財政委員会」で11名の市議が市の政策について議論を行い、弁護士の郷原信郎氏が提出した請願書について審議を行なった。請願書では、山中竹春市長が横浜市立大学に対して不当な圧力を加えたと指摘されていた(概要はこちら)。
審議の模様は翌日、毎日新聞神奈川版や地元紙・神奈川新聞でも報じられた。特に毎日では地域版のトップ扱いで大々的に掲載された。これまで大手新聞社など記者クラブ加盟のメディアは山中市長の疑惑に触れてこなかったが、市議会の審議は無視できない問題と判断したようだ。本サイトでは、独自取材や違う角度からの検証も含めて、審議を振り返りたい。

まずは振り返り。山中氏が市長選に出馬することが明らかになってから、大学内で何があったのか。ここまでの経緯を簡潔にまとめると、以下のような流れになる。
- 6月16日に山中氏出馬が報道される
- 横浜市立大が「本人への連絡がつかない状況」「(大学として)政治活動へ関与することはない」などのメールを教職員約3000人に送信
- 選挙直前の7月19日〜24日にかけて、山中氏が立憲民主党所属の市議とともに大学側と面会。理事長に対し、ネットやSNSにさらす、コンプライアンス違反で訴えるなどの旨を発言した。
- 7月26日、大学側は
「本人と連絡がつかない、という事実と異なる内容を記載してしまった点について、心よりお詫び申し上げます」
「山中先生には大事な時期に大変ご迷惑をおかけしてしまいました」
「山中先生におかれましては、これまで素晴らしい研究成果や学内のご実績により、横浜市立大学のプレゼンスを高めてくださりました。今後も感謝の意を学内外へ伝えて参る所存」
などと書かれた文書を、教職員に再度送信した。

請願書では、山中氏が選挙直前に市議会議員を引き連れて大学側に対応を迫ったことは大学の自治を侵害する行為であり、市議会として調査究明すべきと訴えている。
なお、山中氏は「本人と連絡がつかない」との記載について、事実に反すると主張。議会では「実際には理事長や学長から私には連絡がまったくなかった」「事実を訂正するという観点から申し入れをした」と述べている。
「圧力」の認識をめぐる攻防戦
山中氏や立憲市議からの「圧力」はあったのか。委員会では、小山内いづ美理事長ら大学関係者が参考人として出席。議員たちは直接、事実関係を確認した。
小山内理事長は「6月14日〜16日まで3日間、副学長から山中氏に携帯電話で複数回連絡したが、連絡が取れなかった」などと説明。山中氏からの働きかけがなければ、「7月26日の文書は出していなかった」、「先方の心が痛んだことに対してお詫びをしなければならないと考えた」「(コンプライアンス違反で訴えるとの発言については)厳しいと思いながら受け止めていた」とも発言した。それでも、「圧力は感じなかった」と言い張った。
議員から事実確認を求められると、質問と噛み合わない回答をして濁す場面もしばしば見られた。

大学に市議や市長候補者が圧力を加えることが問題なのは言うまでもないが、その圧力に屈してしまうことも、もちろん大学として問題である。

しかし、審議に参加した市議の1人で、選挙戦で山中氏を推した共産党の荒木由美子市議は「大学側はそう(圧力だと)認識していない。(面談後の文書を)出す出さないも大学側の認識としてはできたはず。自分たちの中で敢えて手続きを経て発出したのですから、それ以上申し上げることは私たちとしてはありません」との認識を示した。
だが、小山内理事長の置かれた立場を考えると、「被害者が被害を名乗りを出ていないから事件はなかった」という見方はあまりに表層的すぎる。政治的圧力に屈することは、大学の社会的信用を損ねる不祥事といえる。自己保身のためには、「圧力を感じた」とは口が裂けても言えないのではないだろうか。山中氏からの働きかけに応じた(=政治的圧力に屈した)にも関わらず「大学側が独自に判断した」と主張するのは不自然で、矛盾が生じる。
荒木市議の発言については、ネット上で立憲民主党や共産党の支持者からも疑問の声が出ており、ツイッターで編集部に記事へのリプライの形で意見を飛ばしてくる人たちもいる。政治的な主義主張とは関係なく、真相の解明が望まれている。
一方、自民党の横山正人市議は「いま我々が問題にしているのは『大学としてのガバナンスはどこに効いていたんですか。外部からの圧力に対してどういう対応を取ったのか』ということを聞いているんですよ」と追及した。

連絡不通の間に立憲側と面会か
山中氏は「あたかも長期間まったく連絡が取れないような書き方」をしたことについて「非常に深い悲しみ」を覚えたと大学側に主張していた。だが、一般的な社会常識から考えて、3日間も連絡が取れなければ、「連絡が取れない状況」と言って何ら差し支えないのではないだろうか。
横浜市立大関係者が言う。
「山中氏は14日と15日の午前中には『臨床研究・疫学入門Ⅰ』と『生物統計学Ⅰ』の授業を持っていたのですが、それらを放り出して立憲民主党の関係者に面会し、支持を取り付けています。大学側が山中氏と連絡が取れなかったのは、ちょうどこの時期です」
実際に「連絡がつかない状況」だったにも関わらず、大学に圧力を加えて謝罪させ、ウソを言わせた。小山内理事長の発言が事実であれば、そういうことになるのではないか。郷原氏の請願は多数決により、引き続き市議会で議論することになった。審議の行方に注目したい。
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