大英博物館が「葛飾北斎の浮世絵」をNFT化して販売!
「著作権切れ」でもNFT化で博物館の収入に- 今なお世界で愛される葛飾北斎の絵を、大英博物館がNFTで販売する
- 著作権切れで“タダ”のはずも、NFT化によって博物館の収入に
- 古き良きモノの価値がデジタルで息を吹き返す。北斎も喜んでいる!?
イギリスの大英博物館が保有する葛飾北斎の絵をNFTにして販売するという。
大英博物館は9月30日から江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎(1760~1849年)の展覧会「The Big Picture of Everything」の開催と同時に、ベンチャー企業la collectionと提携して、約200種類の北斎作品をNFTにしてオンライン上で販売する。9月30日から来年1月30日まで、NFTプラットフォーム「la collection」のサイトで行う予定だ。

欧米で人気 北斎の浮世絵をNFT化
葛飾北斎の絵は、19世紀後半から欧米で高い人気を博し、今なお高い評価がされている。米「ライフ」誌ではゴッホなどを差し置き、「19世紀最高の画家」と評されたこともあるくらいの人気ぶりだ。
北斎の約200種類の作品のうち、展覧会でも展示される絵画のうち、約100作品は、あの名作「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」などが含まれている。残りの半分は、最近発見され現在、同博物館が保有している「万物絵本大全図」という北斎の描いた本の挿絵103点だという。大英博物館は長年コレクターなどの間で世界中に分散していた北斎の絵を長年集めてきた。
10%が美術館の収入に
価格は500ドル(約5万円)から販売されるという。NFTの市場で今後、再流通されることになれば、そのうち10%が美術館の収入になり、3%が販売サイトの収入になると美術専門メディアArtNewspaperは報じている。
葛飾北斎の絵が世界で人気が高いというのは日本人としては嬉しいものがある。とはいえ日本人の描いた絵で、日本の懐が潤うわけでもなく海外のビジネスに使われてしまっているというのも、ある意味寂しい気もする。
とはいえ、1800年代に描かれた葛飾北斎の絵はすでに著作権保護期間切れでもあり、誰でもフリー素材として使える。これをビジネスにするのは、国籍関係なく知恵を使った者が勝ちということだろう。逆に言えば、同様の工夫は日本の美術館でも出来るのかもしれない。

ちなみに著作権が切れていることで、基本的にはデータそのものを得るのは無料だ。例えばシカゴ美術館は、北斎の絵も含め著作権切れのものを無料で高画質なデジタルデータを開放しているし、当の大英博物館自身も、今回見つかった北斎の未公開の絵を現在、オンラインで非商用の用途に限って無料公開している。単に絵を楽しみたいということであれば、実は誰でも無料でデジタルデータを手に入れることができるのだ。
無料のものに敢えて価値をつける試み
商用に使うことも原則的には問題がない。これまでも北斎の絵のコピーはトートバックやポスター、スマホケースなど様々な場所で使われてきた。高級な額縁に入れ数万円で販売されていたりするケースもあった。無料・有料を含め、合法的にあらゆるところですでに“勝手に”絵が使われているのだ。だから大英博物館がNFTによって葛飾北斎のデジタルデータとして付加価値を付けて、販売することも至って自由なのである。
NFTはこのように、タダになっているものをあえて、NFTを通して貨幣価値を産む試みだともいえる。
北斎はもともと「多くの人に見てもらいたい」と、この絵を版画で流通させていた。よって、北斎の版画絵には基本的に唯一の一点物は存在しない。NFTでは、北斎の絵のデジタルデータは巷にあるが「大英博物館が発行した北斎画のNFT」という“限定モノ”としての価値がうまれることになるだろう。いずれにせよ、今なおこの絵が様々な形で世界中の人に愛されていることは、当の北斎が知ったら喜ぶだろう。
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