仮想通貨相場、中国の禁止乗り越え再上昇も、日経が税務当局の「威嚇報道」

オルトコインにも光る監視の目

中国政府が仮想通貨を全面禁止にする方針を明らかにしてから10日が経過した。ビットコインやイーサリアムなど主要通貨は一時、軒並み全面安の展開になったが、10月に入り、ビットコイン相場は再び急騰。再上昇の機運が強まっている(日本時間4日0時)。

wenjin chen /iStock

ビットコインの相場は中国の禁止措置が明らかになる直前の24日昼、492万円を記録したが、禁止措置が明らかになった翌25日には464万円にまで急落した。その後、487万円台に一時回復も、再び461万円に下落。ここで底を打ったように価格は反転上昇し、10月1日は485万円に回復。さらに翌2日には525万円台にまで急騰した。500万円台を回復するのは、9月20日以来。ブルームバーグは「規制当局の圧力は強まっているものの暗号資産(仮想通貨)の上昇は続くとの期待が背景にある」と指摘した。

もともと、9月後半は、中国の仮想通貨禁止措置だけでなく、不動産大手、恒大集団の経営危機が表面化。アメリカでも連邦政府のデフォルト危機が浮上するなど国際的な経済変動要因が重なったことで、仮想通貨の相場自体が足元をすくわれたような側面はあった。中国経済の不透明感は継続しているものの、アメリカでは9月30日に予算成立までの「つなぎ予算」が成立してデフォルトを回避したあたりからビットコイン相場が上昇。仮想通貨市場との因果関係は断定できないものの、一定の好材料と受け止められた可能性は多少はありそうだ。

Overearth /iStock

他方、この週末、日本の仮想通貨投資家らに冷や水を浴びせたのが日経電子版に3日掲載された「仮想通貨で一斉税務調査 14億円申告漏れ、グレー節税も」の記事。4日午前0時時点でアクセスランキングで1位になるなど高い関心を集めた。

記事では、国税当局が仮想通貨取引の監視を強め、数十人が計約14億円の申告漏れを指摘された大規模調査の事実を報道。特にオルトコインのエイダ(ADA)のユーザーが申告漏れで約6億7千万円の追徴課税をされるなど、税務当局が仮想通貨取引の調査ノウハウを磨き上げてきた実態も明らかになり、ツイッターで反応が相次いだ。

「こうゆう事だけ日本はしっかりしてるんですよねー。 みなさん、税金はしっかりしましょー。私も気をつけます。」

と皮肉気味にコメントするユーザーもいたが、

調査や情報発信じゃなくて簡単に納税きるように仕組みを単純化して欲しい。ハッキリ言って力の入れどころが違う」

と税制の改正の必要を訴える人や

税理士にお願いしようにも仮想通貨税務できる税理士がそもそも少ないんだよなぁ。」

と納税者側の環境整備が追いついていないことを指摘する声もあった。

弁護士の荘司雅彦氏はNewsPicksへのコメントで「この報道は、大きな威嚇的効果があります」との見解を示していた。

 
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