株式市場を襲う「岸田ショック」、投資家から恨み節 出まくり

三木谷氏「成長という言葉が聞こえてこない」

東京株式市場は5日午前から、日経平均株価が大幅に続落。前日比で一時984円下げるなど午前の終値は前日から2.8%ダウン、1か月ぶりの2万8000円割れとなる2万7658円31銭にまでダウンした。午後に入りやや回復したものの、終値は622円安の2万7822円12銭となった。

metamorworks /iStock

国際的な原油価格の背景や、アメリカの株式市場がインフレ懸念などで大幅に下げた影響を受けた格好だが、国内的な要因として、前日に政権を発足したばかりの岸田首相が記者会見で、金融所得課税の見直しに踏み込む姿勢を見せたことが挙げられている。金融所得課税の税率を現行の20%からどれくらい引き上げるか、岸田氏自身は、総裁選の最中から明言こそしていないが、25〜30%への引き上げの可能性が取り沙汰されている。日本経済新聞の滝田洋一編集委員はコラムで「税をめぐるパンドラの箱が開こうとしている」と指摘した。

就任記者会見に臨む岸田首相(4日、官邸サイトより)

ツイッターでは投資家アカウントの間で新政権への不満や不信が渦巻き、「岸田ショック」がトレンド入り。投資家の岩本壮一郎氏は歴代政権の株価チャートを示しつつ、「岸田総理で日本の終わりのはじまりを示唆でしょうか。構造改革や規制緩和といった小さな政府よりも、増税と分配を基本とする大きな政府戦略の場合、外国人投資家は日本を売る傾向が鮮明」と厳しく指摘した。

一般の投資家たちも

「金融課税数千億取りに行って、何百兆時価総額吹き飛ばすつもりなんだろ」

「彼が新しい資本主義と称した金融所得課税を推進することで外人が日本株から避難する動きです。」

「安倍政権が長期政権だったのは株高が大きな要素だったのは間違いないと思うし、株安放置してると短命にしかならないぞ」

もともと日本の株式市場を支える外国人投資家らを中心に、自民党総裁選は、構造改革路線の河野太郎氏が勝利することへの期待が強かった。しかし、新自由主義政策からの転換を掲げ、分配政策を重視する岸田氏が首相になったことで、投資熱に水を差すとの指摘が相次いでいた。

政府に対し規制改革を強く求めてきた新経済連盟も、岸田政権による「改革後退」を懸念。新経連の三木谷浩史代表理事(楽天グループ会長兼社長)はこの日のツイッターで「新しい政権からイノベーション、成長という言葉が聞こえてこない。残念だ」と嘆息。さらに夜になり、金融所得課税にも言及。

そもそも株価は法人税を払った後の税引き後利益をベースに出されておりこれに課税するのは二重課税、他所得との損益通算もあまり出来ない、これを単純にあげるのには大反対」と断言。続けて「また、日本の最高所得税率は既に55%、相続税は50%、死ぬと所得税については77.5%と同様。民間力で政府をスリム化するべき」と“金持ちいじめ”とも言える政権の姿勢に苦言を呈し続けていた。

 

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