強要罪で告発された横浜市・山中市長に対するパワハラ規定存在せず

「被害者」大学理事長への任命権保有も
ライター

横浜市議会の委員会で10月6日、自民党の草間剛議員が山中竹春市長に質問し、横浜市のパワハラ対策についても取り上げた。
(経歴詐称での追及はこちらの記事

答弁する山中市長(市議会ネット中継より)

横浜市役所の総務局長によると、横浜市には市役所職員に向けたハラスメント防止策は実施されているものの、市長がパワハラをした場合については規定がないという。局長は「市長は市民の皆様の付託を受け選挙により選出をされた自治体の長である。ハラスメントの行為者として責任を問い処分する規定は市役所内部にはない」と説明した。市長が職員にパラハラをすることは想定されておらず、パワハラをしても何も処分されないということだ。つまり、山中市長がいつでも“パワハラができる状態”に置かれている。

また横浜市立大学理事長に対して、任命権を持っていることも明らかにされた。言い換えれば、山中市長は現職の理事長が気に入らなければ、クビにできるということだ。

草間議員から自分を律するものが必要ではないかと問われると、こう答えた。

私自身が市長としての責務の重大性を鑑み、市役所職員との意思疎通を図ることが重要なことだと考えております。パワーハラスメントに限らず、ハラスメント行為がありますと、私との意思疎通をはかりにくくなりますので、ハラスメントを行うことに関しては、しちょうとして業務を放棄する行為につながると考えておりますので、そのような行為を律していきたい。自ら律していきたいと考えております

山中氏がパワハラを行なっている音声は、現在もネットに公開されている。被害を訴えている方への謝罪が必要ではないかと草間議員が問うと、即座に否定した。

えー、過去に市大をはじめ、あらゆる機関からハラスメント行為やその疑いを指摘されたことはございません

被害を訴えている方がいらっしゃるということは認識されてますか? と聞き返された。

えー、告発の事実については認識をしておりますが、私自身は告発に該当するような行為は一切行なっておりません

山中氏を追及する草間剛横浜市議(市議会ネット中継より)

「深く傷ついて市立大にメールを要求していましたが、深く傷ついている人がいるということも認識されないんですか?」と再度問われると、以降は会話が成立しなくなり、これまでと同じ文言を機械的に繰り返した。

私自身は、あー、えー、パラハラに該当するような行為、またその疑いに該当するような行為を指摘されたことはございません

告発状が提出・受理されている以上、パワハラの疑いが指摘されているのは火を見るより明らかなのだが、山中市長にはその認識がないという。

「被害を訴えている方がいるかどうかという認識はありますか?」との質問が続いたが、こちらも回答せず、はぐらかした。

えー、告発がなされている事実は承知しておりますので、告発をされた方がいることは、事実だと思います

「人に間違いはある。間違ったことをしたら、過ちを認めて謝るべきだと思うが、どうか?」と草間議員は最後に問いかけたが、やはり正常な質疑応答は成立していなかった。

繰り返しになりますが、私に関してハラスメント行為、その疑いに関して指摘された事実はございません

「そこを聞いているんじゃないんですよ。市長が人としてどうかという質問をしているんです」

草間議員の質問に、最後まで答えようとしなかった山中市長。“人としてどうか”という問いは、山中市長には届かないようである。

 

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