今さら聞けない!話題の「FIREムーブメント」とは
仕事にもお金にも縛られない生活とは?- 話題の「FIREムーブメント」。筆者にも「FIREしたい」と相談が…
- 「リタイア後も貯めた資金を減らさない」。筆者が考えるFIRE3つの魅力
- かといって早期リタイアを急ぐ余り、お金のために会社勤めをするのは残念
こんにちは、ファイナンシャルプランナー/キャリアコンサルタントの八木陽子です。
ここ数年聞くようになった「FIREムーブメント」という言葉はご存知でしょうか。FIREムーブメントとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字をとったもので、経済的な安定を早期に確立し、早期リタイアを実現しようという取り組みです。

最近は日本でも浸透してきて、「FIREしたいと考えているんですが…」という方にお会いするようになってきました。
FIREは、早期リタイアができるように、明確な数値目標を落とし込んでいるのが特徴です。
1つめに、目指すべき貯蓄額を年間支出の25倍としています。
たとえば、1年間の生活費が200万円の場合は、200万円×25倍で5000万円が貯蓄の目標になります。1年間の生活費が300万円の場合は、7500万円が貯蓄になります。
そして、次に、リタイア後、資産を4%ルールで運用をすれば生活ができるというルールです。5000万円を4%で運用できれば、年200万円の金利。200万円で暮らせる方は、日々の生活のために、貯めたお金5000万円を取り崩す必要はありません。7500万円を貯めた場合、4%は300万円ですから、7500万円の資産は減らない設定になります。
つまり、年間支出(生活費)の25倍の貯蓄、4%で運用できるスキルを身に着ければ、安心してリタイアが可能というものになります。
今まで、貯蓄の目標といえば、使うお金の額、つまり、住宅資金や老後の生活資金が目標という考え方が一般的だったので、私は最初にFIREを知ったときは、「リタイアしても、貯めた資金を減らさない」というルールがとても新鮮に感じました。
「FIRE」3つの魅力
私が考えるFIREのよい点3つを紹介しましょう。
① 生活費が把握できる
FIREしよう!と考えた方は、生活費をきちんと把握したり、節約したりする意欲がわくと思います。
マネー相談に見えられる方で、自分が年間いくらで生活しているのか知らない方も少なくありませんから、生活費の総額を知るきっかけがFIREだったということはありえます。FIREを目標にすることで、お金を管理するきっかけを作れます。
② シンプルな生活を実現できる
誰しも、なんとなく使っているお金があります。それほど、買いたい物ではないのに、なんとく付き合い上だったり、以前から契約していたり…といった類の買い物です。
FIREの目標例にあげた5000万円や7500万円の資産を準備するということは、ほとんどの人には簡単ではないでしょう。そんな中、なんとなく使っている支出を知り、削減することは、とても重要です。FIREの第一人者であるクリスティ・シェンさんも「痛みの伴わない支出を減らすこと」と書いています。自分の価値観に沿ったシンプルな暮らしを実現できる可能性があります。
③ 運用スキルを磨ける
「4%で運用できるスキルを身に着ける」とさらりと書きましたが、大手銀行の普通預金の金利が0.001%の日本において、4%の運用スキルは大きいです。それを身に着けた方は、金融リテラシーが高いといえるでしょう。FIREを目指すことは、「運用スキル」を手にするモチベーションにもなります。

いいことづくめのFIREのような気がしてきましたが、注意したい点もお伝えします。
お金との付き合い方は、バランスが重要です。
FIREを目指すあまり、今の生活を切り詰めすぎてしまっては、幸せな人生から考えて、残念な結果になります。特に、若い人は、自分にも積極的に投資するべきです。仕事上の付き合いにしろ、勉強にしろ、「自己投資」という概念は忘れずにいたいもの。投資の対象は、お金だけではありません。自分自身の能力にも投資ができます。
目標額への到達を急ぐあまり、投機的な金融商品に勝負をかけるのもおすすめしません。逆に金融リテラシーが欠如した行為とならないように注意が必要です。FIREを目指したとしても、現役時からバランスのよいお金との付き合い方や生活を意識することが大切です。
会社勤めはお金のため !?
また、早期リタイアを目標にしている方の中には、現在勤めている会社を、お金をもらえる場所として我慢している、あきらめていると聞いたことがあります。それも残念な話です。
極端かもしれませんが、日本中の会社員が、会社勤めはお金のためと考えたら、どんな世の中になることでしょうか。
会社には毎日約8時間程度拘束され、早期リタイアする場合でも、10年、20年は務めます。つまり、仕事に従事している時間は人生において長いのです。そして、一人一人が所属している会社という組織が、日本という国を形成している要素になっていると思います。
個々人が、勤務先に対して、「お金」のためだけと割り切ったり、かといって依存したりするのでもなく、早期リタイアを目指しつつも、会社内で有機的な存在として働きたいものです。
FIREには夢があります。仕事にもお金にも縛られない生活を目指すわけですから。FIREの中でも種類が出てきて、完全な早期リタイアではなく、短時間だけは働くFIREなど、様々なゴールやスタイルがあるようです。
この秋、人生の選択肢を増やすという意味で、自分らしいFIREを考えてみるのはいかがでしょうか。
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