公務員給与をビットコイン払いに !? マイアミ市長の「無税都市」の挑戦

独自通貨も発行。記者もマイニングに参加してみたら...
ジャーナリスト
  • マイアミ市長が、公務員給与のビットコイン支払い計画を発表。公共料金、税払いも
  • 市民のパソコンで独自の仮想通貨「マイアミコイン」を発行。市と市民の収益に
  • デジタルエコノミーの力で市民から税金を巻き上げない、“無税都市”を模索中

米マイアミ市は、市職員の給与を希望すればビットコインで給与を支払うことを決議した。フランシス・スアレス市長は「市の職員がビットコインで給料を受け取り、市民が公共料金をビットコインで支払い、郡が許可すれば市民は税金をビットコインで支払う事が出来るようにしたい」と10月18日付のブルームバーグのインタビューで語った。

今年6月、マイアミで開催された「ビットコイン21」で登壇するスアレス市長(写真:AFP/アフロ

すでに市職員の給与のビットコイン払いを業者委託するという決議は、今年2月に市の委員会から支持されている。市の職員達はビットコインでの支払いを歓迎しているとのことだ。さらに、市長は財政のバランスシートの中に、ビットコインを加えることをフロリダ州に求めている最中だ。

スアレス市長は「これ(ビットコイン政策)は私にとって、最優先事項です。なぜなら、私達はマイアミ市をアメリカや世界の“仮想通貨の首都”として差別化したいからです」と抱負を語っている。

独自の暗号通貨「マイアミコイン」

市長の試みはこれだけではない。市長は「マイアミコイン(MIA)」という独自の暗号資産を発行。一般市民がパソコンを使って簡単に生成(マイニング)することが出来るシステムを作ったのだ。そしてその利益の70%が当事者に、30%が市の収入になるように設計している。さらに、これを市民が取引所に預けると、なんと約430%の程度の利回りが得られるという(推定、利回り保証はなし)。

目がくらみそうな錬金術を行政が行っているという仰天ぶりだ。日本人の感覚だと、とてつもなく“怪しすぎる投資話”のようにも思えてしまう。こんなことを行政ができてしまうのが、アメリカのすごいところでもある。

とはいえ、市民がマイニングに参加するのに何らかのお金を投じる必要はないので、基本的には損する要素も無さそうだ。ビットコイン初期にパソコン好きがマイニングしていたのと同じで、その簡易版ということなのだろう。

ゴールドラッシュの時のように、金鉱山に行く必要もない。手元のパソコンで自動的に行える“デジタル錬金術”ということか。ちなみに誰でも参加出来るようで、記者も試しにダウンロードしてみたところ、5分でセットできた。一度ダウンロードすると自動的に生成される仕組みのようだ。(ただこれが外国人の利益になるのかは不明)

8月に始めたばかりのこのプロジェクトだが、すでに10分単位で2000ドルの価値を生み出している。そして、たった1週間で1億円の収入を市にもたらした。市長は「ビットコインよりも早く」主流になると自信をみせている。

将来は“無税都市”に!?

スアレス市長の取り組みによって、来年には年6000万ドルもの利益をもたらすと試算している。この取組は、貧困問題やその他の社会問題を解決するにあたってかつて無い財源となる。こうしたかつてない試みによって、市長はなんと「市民が税金を払わなくても、政府を運営出来る可能性を考えている」という。

マイアミ市は、起業誘致も盛んに行っており、この一年で日本のグローバル企業のソフトバンクや、ゴールドマン・サックス、ブラックストーンなど、多くの起業が市内にオフィスを設立した。将来的に市長は、観光地からテクノロジーのハブの街にすることを思い描いているという。

いずれも斬新すぎて腰を抜かしてしまう大胆な構想だが、市長はこれらの構想を実現するためにテクノロジー企業と連携して起業家顔負けの大胆さで新しい仕組みを作っている。この試みが成功するかは未来のみぞしるところだが、飛び抜けたリーダーシップや構想力、実行力は日本の政治家にも見習ってほしいところだ。

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