日本発のNFT博物館!奈良の考古学ミュージアムで重要文化財をNFT化
コロナ禍で苦境にあえぐ美術館・博物館の切り札に!?- 奈良・田原本町「唐古・鍵 考古学ミュージアム」の重要文化財をNFT化して発売
- 博物館・美術館専門のNFTマーケット「アポロ」が11月に開設。日本初の試み
- 取引するのは現物ではなくデジタルデータ。コロナ禍の博物館・美術館を救う!?
奈良県田原本町に所在する「唐古・鍵 考古学ミュージアム」。同博物館では、日本を代表する環濠(かんごう)集落である唐古・鍵遺跡の考古資料を中心に展示している。遺跡から出土した実物の資料が豊富に展示されており、約2,000年前の弥生時代の生活文化を垣間見ることができる。同博物館の1921点の重要文化財について、NFT化を進めていくことが発表された。

博物館の“お宝”がNFT化 !?
「NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)」とは、偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ。デジタルデータは「海賊版」ともいわれ、コピーが容易であったのに対して、NFT化によって基盤技術にブロックチェーンを活用することで、唯一無二のデジタルデータであることが証明できる。そしてそこに資産的価値を付与することもできるのだ。

今年、NFTマーケットは「NFT元年」とも呼ばれ、急速な市場拡大をみせている。市場規模は今年8月に15億ドルに到達。NFTを用いるサービスは美術品、デジタル絵画、ゲーム、カード、仮想空間等と多岐に渡っている。
NFT化やマーケットの運営はシステム開発事業を展開している株式会社H.S.P(Apollo株式会社へ社名変更予定)が行う。同社は、11月中旬頃から、NFTマーケットプレイス「Apollo(アポロ)」の提供予定だ。今後も、美術館、博物館に特化したNFTマーケットの運営を広げていくという。同社はすでに、日本初のNFT美術館として11月にリニューアルオープンを控えている「NFT鳴門美術館」とも提携している。
このマーケットプレイス「アポロ」では、同博物館の「1921点の重要文化財」をNFT化して、同マーケットプレイスで販売していくという。NFT鳴門美術館が総額5000万円で落札したことで話題になった細田守監督作品の「竜とそばかすの姫」なども同時に取り扱い、リアルからデジタル化、そして購入までを一本化し、円での購入も可能にして、購入時のハードルを低くするという。
現物は博物館で保管したまま、デジタルで収益化
博物館と提携してNFT化をすすめるHSP社の幸村実鈴代表に、こうした文化財をNFT化しようと思ったきっかけをきいた。
「日本での不景気もあって、国内の貴重な文化財が海外への流出する危機に瀕していることを知ったのがきっかけです。売却するにしても現物を手放すことなく、デジタルでそれが出来ないか?と考えたのです。漫画やコミックでもそうですが、デジタル化したからといって実物に比べ価値が大きく下がるわけではありません。むしろ、メタバース(仮想現実)の世界では、実物よりも価値が上がる場合もあるのです」
現物の重要文化財は公共財でもあるので、現物を販売することはしない。NFTとして今後流通させるのは、もともと博物館が所有していた文化財を写した”写真”のデジタルデータだという。販売するのは写真のデータなので、現物は、そのまま博物館に保管したままでいい。

現物とは別に、NFT化したデジタルデータが独自の価値を生んでいくのだという。そして、現物の作品をもつ、美術館、博物館が発行する”唯一の”NFTとして紐付かせ、信用と価値の高さを担保する。さらに二次流通などを繰り返すことで、デジタルデータとしての独自の価値が高まる可能性もある。
米国でもニューヨークのグッゲンハイム美術館が、NFTに特化した世界最大級のNFT専門の支所がオープンすることが注目されているが、日本でもほぼ同時進行で美術館と博物館のNFT化が始まっているというのは頼もしい。こうした最先端の取り組みは世界的な流れでもあり、アートや文化財のデジタル化の流れを後押しすることになるといえる。
これからの時代は、必ずしも現物だけが価値を生むわけではない。現物に紐付けられ、デジタル化したものが、独自の価値を生む、そんな時代になったということだろう。同社では今後は同様の手法で、全国の美術館、博物館のNFT化を後押ししていく予定だといい、すでに多くの美術館、博物館から問い合わせも来ているという。コロナ禍で苦慮している美術館・博物館の救いの一手になる可能性もあるだろう。デジタルの力で、ピンチがチャンスに変わる、そんな可能性もあるだろう。
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