新経連が政府にNFTの「ルール整備」を提言。経済団体では初

ブロックチェーン政策提言の一環

新経済連盟(代表理事:三木谷浩史・楽天グループ会長兼社長)は27日、ブロックチェーンの国家戦略化に向けた提言を、牧島デジタル相ら関係3閣僚に提出したと発表した。提言はブロックチェーンの国家戦略上の位置付けや関連法の整備など6つの内容で構成。そのうち、現在は法的な位置付けが曖昧なNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)に関するルール整備についても盛り込んだ。NFTに関する政策提言が、主要経済団体から政府に提出されるのは初めて。

Just_Super /iStock

NFTは、ブロックチェーン上で発行される偽造不可能な証明書付きのデジタルデータ。「NFT元年」と言われる今年は国内外で急速な市場拡大をみせており、アートやゲーム、カードなど、さまざまな関連サービスが展開されている。しかし今年7月の金融庁が立ち上げた「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」でもNFTは検討対象外となっており、NFTの法的位置付けがあいまいな状態で市場が拡大している。

法的な問題として典型例と言えるのが著作権法での扱いだ。絵画などリアルのアート作品の購入者が、その作品を屋内で展示会を開いて収益を得ることが認められているが、NFTアートの購入者だと、このルールの適用外となり、アーティストなど著作権者の許諾を得ないと有料展示などでの利用ができない。NFTアートはアメリカでは億単位の高額落札案件も出ており、法整備がなされていない現状では、著作権者や購入者、事業者がそれぞれ思わぬ不利益を被る可能性がある。

また、ゲーム内での「ガチャ」でNFTが使われる場合についての懸念もある。日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)は今年4月に定めた「NFTビジネスに関するガイドライン」で、

「当該NFTサービスの仕組み次第では、賭博に該当する可能性があるため、ガチャの実装について慎重な検討を要します。」

と指摘している。実際、NFTの問題に詳しい弁護士からも、ガチャを購入した際の料金より著しく価値が変動するNFTがランダムに提供され、競争性があると判断される場合には賭博罪に抵触する恐れがあるとの意見が出ている。

新経連はこの日の提言で

NFTが表章する価値や権利について法制度上の扱いを整理し、ユースケースや生じうるリスクを類型化の上、関連規制への該当性をガイドラインなどで明示すべき

と法的な位置付けや、現在はあいまいになっているルールの整備を要求。具体的な論点の例として、NFTが表章する価値や権利については民法や著作権法などにおける扱いをどうするかを指摘。「どこで誰と取引される価値・権利か」「価値・権利の逸失リスクとその際の責任者は誰か」などを挙げた。

一方で提言は

NFT一元的な相談窓口を設置し、「まずやってみる」という事業者の挑戦を許容する政策スタンスのもと、事業環境を整備すべき

とも注文。事前に過度な規制をするのではなく、事後規制的に柔軟な対応を促することで新しいサービスが創出されやすい事業環境の整備を求めた。

NFT以外の提言では、ブロックチェーンの国家戦略化や官民協議会の設置、STOやICOに関する会計基準の設置、税制の改正などに渡った。

関連リンク:新経済連盟「ブロックチェーンの官民推進に関する提言~2021年度の政府方針等を踏まえたデジタルフレンドリーな社会に向けて~

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