池袋暴走事故で禁錮5年、飯塚幸三受刑者の勲章剥奪が話題に

官報に記載。過去には「漢検創設者」や「柔道金メダリスト」も...
ライター

2019年4月に東京・池袋で暴走事故を起こし母子を死亡させた元通産省幹部の飯塚幸三受刑者について、勲章が剥奪されたことが官報に記載され、ネットでは昨日(10月27日)から話題となっている。

ツイッター上で、こんなツイートが流れた。

「今日の官報眺めてたら、飯塚幸三氏の勲章褫奪が載っていた」

10月27日付官報を見ると、確かに、そのように記載がある。

10月27日付官報

褫奪(ちだつ)」とは聞き慣れない言葉だが、辞書を引くとこうある。

「褫奪(ちだつ):官位・職権などをとりあげること」(大辞林 第三版)

「剥奪:はぎとること。うばいとること」とほぼ同義だが、褫奪のほうがより意味が狭くなるようだ。ツイッター上でも、こんなコメントがあった。

褫奪って!すごい!初めて目にした言葉だわ。むずかしい日本語。まだまだ一般人が目にした事ない漢字、日本語があるんやろね。

漢検一級とかでも多分出てこなさそうな熟語ですね

飯塚氏は2015年に瑞宝重光章(ずいほうじゅうこうしょう)の叙勲を受けていた。瑞宝重光章は、中央省庁で事務次官を務めた者などに与えられる勲章の一種。

瑞宝重光章(左)・副章(右)・略綬(中)/内閣府HPより

明治41年(1908年)に作られた「勲章褫奪令」によると、「死刑・懲役・無期刑・3年以上の禁錮」の刑に処せられた時は、勲章を褫奪されるとある。飯塚受刑者は9月17日に禁錮5年の刑が確定した時点で、飯塚氏の勲章は自動的に褫奪されていたと考えて良さそうだ。

ツイッター上では、「ブレーキのせい」と主張し続けた飯塚氏への非難の声が、にわかに再燃した。

事故起こした段階で誠心誠意謝っていれば、こんな事にはならなかったろうに……

飯塚は事故を起こしてしまったことはともかく、素直に反省する態度を示していればここまでにはならなかったのにな
変なプライドのせいで人生の最後を汚してしまった

それはよかった
同じ勲章持ちがいたら「あんなのと同列か?!と思われるのがツラくなる」でしょうから

勲章を褫奪された人物として、飯塚氏のほかに以下の人物が挙げられる。

大久保昇氏:「漢検」で知られる「日本漢字能力検定協会」創立者。不正な取引によって背任罪に問われ、懲役刑を受け、瑞宝重光章を褫奪された。

内柴正人氏:五輪金メダリストの元柔道選手。2011年に準強姦事件を起こし、懲役5年の実刑判決が確定。紫綬褒章を褫奪された。

瑞宝重光章は色鮮やかなデザインの勲章が、実際にモノとして存在する。褫奪が決定し、モノとしての勲章はどのように返還するのだろうか。本人や家族が内閣府まで郵送するのか、あるいは返還しに出向くのか。ちょっと気になるところだ。

 
タグ: ,

関連記事

編集部おすすめ

ランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

人気コメント記事ランキング

  • 週間
  • 月間

過去の記事