日本で続々開始のNFTアートオークションが大盛況!落札予想300~500万が839万円など

国内アーティストに希望

世界で盛り上がりをみせるNFTのアートオークション。その波は、着実に日本にも届いているようだ。

日本でも、続々とNFTオークションが始まっている。アートオークション大手のShinwa wise holdingsが10月28日に行ったジェシー・フランクリンのNFTアートオークションでは、落札率100%の盛り上がりを見せた。最初に入札された一作品目では、15万から始まったものの、すぐに競り上がり高騰をみせ105万円で落札。最高落札額となった14作品目は660万円の値がついた。

下見会(27日)でディスプレイ展示されていたNFT作品=編集部撮影

NFTアートオークション、予想価格上回る盛況

先日サキシルでもお伝えした、SBIアートオークションで出品されたNFT作品群は、10月30日に競売にかけられたが、大半が想定の価格を上回る入札結果となったよようだ。

同オークションでは非NFTの既存の現代アートも入札にかけられ、草間彌生の作品が1億3000万で落札された。そして現代アートの勢いある場で新参となるNFTの結果も好調だったようだ。

例えば、スプツニ子!氏のNFT作品「ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩」(2013年)は当初の落札予想価格は300~500万だったが、839万円で落札されたという。

スプツニ子!「ムーンウォーク☆マシーン セレナの一歩」(2013年)

香港の若き巨匠ルー・ヤン氏が作る仮想アバターが踊るユニークな作品「Doku Hello World/Doku HUMAN」も575万円で落札された。

仮想通貨マイニングへの熱狂をコミカルに揶揄したケニー・シャクター氏の作品「Money, Money, Money」(2021年)も、予想価格100万~150万を上回る230万円で落札されている。

デジタル絵ながら油絵風のタッチで描かれている、セーワ・アティファ「TERRA 2021」(2021)の作品は、かつてタブーとされた、黒人の女性が聖母の姿をしているという、メッセージ性に飛んだ作品だが、同作品も予想120万~180万のところ、212万7500円で落札された。

セーワ・アティファ氏の作品「TERRA2021」。油絵タッチながらデジタルで描かれたNFT作品だ。

日本の現代美術家たかくらかずき氏の《Goodbye Meaning》(2021年)も予想では、20万~30万だったところ、83万9500円の落札結果がでて予想を大きく上回っている。Yuki-yuki「あなたのために」(予想価格30~50万円)(2020)も57万5000円で落札された。いずれも、予想価格を大きく上回っている。日本のアーティスト達がこれから、NFTに取り組むにあたって前向きになれる結果がでた。

たかくらかずき氏の作品

世界の美術品市場は7兆円

世界の美術品市場は、欧米や中国、台湾、韓国などを中心に活況で、その規模はなんと7兆円もあるという。それにも関わらず、日本のマーケットはその中で2580億円(日本のアート産業に関する市場調査2019「一般社団法人アート東京」)に過ぎない。日本の近代美術の価値は現在、バブル時の30分の1程度となっているという。日本の長期に渡る景気低迷は、美術業界の規模縮小に大きな影響を及ぼしているのだろう。

NFTがそこに風穴を開けるかもしれない。NFTの顧客は世界に開かれているからだ。

今後、日本のアートが、NFTのようにデジタルで世界中の誰もが買える仕組みになると、海外の顧客をさらに取り込むことが出来る。アニメなど、日本独特のアートには、世界のファンも多く、流動性が変わっていけば、日本のアート市場も大きく変化していくことだろう。

日本で開催しているSBIアートオークションの既存の顧客も、落札者の4割は海外の居住者という。絵画という文化的なものに大胆なお金を使える大富豪というのは、やはり日本よりも海外に多いのだろう。

shinwa wise holdingsの倉田陽一郎取締役会長はこれまでメディアの取材に対し、日本のマーケットを「アートオークションは1兆円以上、アート取引市場全体は5兆円」という目標を掲げている。過去の日本には「3兆円市場」の時代もあったという。日本のコンテンツ・パワーが本気で花開くのはこれからかもしれない。

 

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