「ニューヨークをビットコインのハブに」新市長の驚きの宣言内容とは

怪気炎かリアルか。独自通貨「ニューヨークコイン」構想も
  • ニューヨークの新市長が「NYをビットコインの中心地に」とハブ化を宣言
  • 仮想通貨関連の人材ルートの整備など、市がビットコイン産業を全面支援
  • 「マイアミコイン」のマイアミ市をライバル視。NYで独自の仮想通貨構想も
エリック・アダムズ氏選挙キャンペーン公式サイト

「1年以内に、ニューヨーク市をビットコインのハブにする」

2日の投開票の結果、新たなニューヨーク市長となったブルックリン区長のエリック・アダム氏は、今年6月のパーティーでそう宣言していた。アダム氏は「(ニューヨークを)ライフサイエンスの中心、サイバーセキュリティの中心、自動運転車、ドローン、ビットコインの中心になり、すべてのテクノロジーの中心にします!」と支援者の前で熱く語ると、「あなたに約束します。1年以内に、あなたは別の都市をみることになるでしょう!」とぶち上げた。

仮想通貨人材の獲得をNY市が支援(kasto80/istock)

仮想通貨関連の人材供給ルートを市が整備

ニューヨークは世界最大の金融都市として知られているが、意外にも仮想通貨関連に対しては保守的な街だ。「ニューヨークは官僚的でコストが高く、ビジネスを行うのが難しい街です。企業にペナルティや罰金を課そうという雰囲気を変え、ビジネスフレンドリーな都市になろうとしています」(ブルームバーグのインタビューで)。アダム市長が指摘するように、ニューヨークは米国内でも暗号通貨関連の規制は厳しい。例えば、エルサルバドルで使われているビットコインで決済するためのStrikeというアプリは、米国全般では使えるが、ニューヨークでは使うことができない。

またニューヨークでの仮想通貨関連の起業としようとおもっても、そのハードルは高い。州には金融サービス局が定めたビットライセンスと呼ばれる法律があり、起業するにも10万ドル(1100万円)という高額のライセンス料が必要だ。同ライセンスに関して州の権限であるため市長には直接の権限はないが、市長はビットコインの成長を妨げるものを今後、調査すると述べている。

さらに振興策として、仮想通貨関連の人材供給ルートを、ニューヨーク市で構築するという。中国のように世界では全面的に仮想通貨を禁止する国があるにも関わらず、ニューヨーク市では、“ビットコイン振興策”を市が全面バックアップして推進するというのだから、やはり大胆な試みだ。

独自通貨“ニューヨークコイン”発行!?

新市長はNYの独自通貨を発行する予定だ(ThomasShanahan/istock)

また新市長は、すでにビットコイン都市を目指して様々な取り組みをしているフロリダ州マイアミ市をライバル視。「マイアミ、君たちの出番は終わりだ。私達は(遅れを)取り返す」などと宣言し、ビットコインのハブ化について「友好的に競い合いたい」としている。マイアミ市では、今年8月から、独自の仮想通貨「マイアミコイン(MIA)」を発行。コインの発行により、1年間で市に6000万ドル(70億円弱)の収益が見込んでいるが、ニューヨーク市でもこれと似た仮想通貨の発行を「実施する方向を検討するつもりだ」(ブルームバーグラジオ)と語っている。

マイアミ市の発行する貨幣の鋳造(マイニング)もパソコンがあれば誰でも参加でき、利益の一部を市とシェアできる仕組みだ(詳しくはこちらの過去の記事を参照)。近いうちにニューヨークの独自通貨「ニューヨークコイン」(実際の名称は未定)なるものが誕生する日も近そうだ。マイアミ同様にコインの発行によって市の財政が潤い、市民の税負担も軽減されるとなれば、市民も歓迎することとなるだろう。

NYが変われば、世界が変わる可能性も

Melpomenem/istock

マイアミ市に倣うならば、市長給与や公務員給与のビットコイン払いなど、マイアミと同様のことがニューヨークでも実施されていく可能性もある。そうなると、マンハッタンでビットコイン払も定着していくこともあり得るのだ。マイアミ市の挑戦は度肝を抜く世界でもかつてない試みだが、これと同様のことを米国の最大都市ニューヨークがやるということなら、むしろこれが世界の常識として世の中を一気に変えてしまうこともあり得るだろう。ニューヨークは、なにしろ世界一の情報発信基地なのだから。

ニューヨークもマイアミも世界を牽引する超裕福な都市でもある。急な変化を好まない日本も、世界の動きに取り残されるわけにはいかない。いつの日か、パラダイムを変えてしまうような大きな変化が訪れる時代が、私達の世界にもやってくるのかもしれない。

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