2021 流行語大賞に「NFT」がノミネート!イケダハヤト氏「盛り上がり加速に期待」
「地殻変動元年」シンボリックな出来事に今年最も話題となった言葉を選ぶ「現代用語の基礎知識選 2021年 ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート用語が4日、発表された。30の候補ののひとつに「NFT」(Non-Fungible Token:非代替性トークン)もノミネートされた。
「新語・流行語大賞」ノミネート30語が発表されました🎉
※ちなみに、こちらはランキングではなく50音順でのご紹介となっております。https://t.co/sIZ0vDiSA2 pic.twitter.com/xDV5OI2Qtj— 自由国民社【公式】 (@jiyu_kokuminsha) November 4, 2021
イケダ氏「日本の強み発揮」
イケハヤの愛称で親しまれている著名インフルエンサー、イケダハヤト氏は、以前も取り上げたことがあるが、今回のノミネート入りをどうみているか。同氏は、海外で人気のNFT「クリプトパンクス」を3500万(100ETH)で購入するなど、いまやNFTコレクター、投資家として知られている。イケダ氏はサキシル編集部の取材に対し、「海外では、すでにNFTは巨大な産業になっています。日本の強みが発揮できる分野なので、ここから盛り上がりが加速することを期待します」とコメントした。
NFT市場は、今年たった一年で大きく変貌した。イケダ氏の言うように、海外ではすでに巨額取引が日常化し、巨大な産業となっている。Beepleと呼ばれるアーティストのNFT作品がクリスティーズのオークションで75億円という価格で落札されるなど、話題にも事欠かなかった。
とはいえ、日本でもNFTが今年流行語になったといっても、実際のところはイケダ氏のように実際にやっている人はまだごくごく少数だろう。マーケットの9割を占める米のオープンシー(Opensea)に登録している人は、日本ではまだかなり珍しい部類にはいる。現在、英語のサイトが主流であること、取引にイーサリアムのような仮想通貨を使うことなど、素人には取っつきにくい要素がとても多いからだ。
現状ではまだ、アート✕クリプト(仮想通貨)の両方の造詣がなければ、興味があっても気軽にトライしにくい雰囲気がある。そんなハードルの高さがあるとはいえ、国内でそのハードルを下げるマーケットも次々と発表されている。使いやすい仕組みも整備されていけば、NFTの勢いは止まることはないだろう。NFTは本質的には、ポケモンカードの交換のように、日本人に親しみのある仕組みがデジタル化しているだけのような側面もある。はじめ使い方のわからなかったLINEもすぐ誰もが使いこなせたように、我々が使い方に慣れていけば、大化けするかもしれない。
クリエイターにチャンス到来
一方、NFTの流行は、クリエイターにとってはチャンスが到来する時代がきていることを示している。これまでアートは稼げない職業の代表だった。「本当はアートの仕事をやりたかったけれど、プロの腕があっても食べていけないから、食べていける事務の仕事に就いた」などという話は無数にある。だが、これからの時代は事務系の職業は今後AIにとって代わられ、逆にこれまで稼げないはずだったクリエイティブな仕事が、稼げる時代になっていくことだろう。
NFTのようなブロックチェーンの誕生は、世界で「稼ぐ」パラダイムを変える。まだ、その地殻変動に気づいている人は少ないが、2021年は、その仕組みが始まった重要な1年であったと言え、今回の流行語大賞ノミネートはそのシンボリックな事象かもしれない。
これまでのコンテンツ系の産業構造は基本的に本人に利益が行く仕組みではなかった。組織でコンテンツを作っても、大抵の場合は作成者には利益の1割も届か無かない。とりわけこの国では、個人に還元されない傾向は強い。政府の「クールジャパン」のような日本のコンテンツ振興策でさえ、大抵の場合はコンテンツを作る会社に恩恵があっても、クリエイター個人に恩恵が及ぶことはない。
NFTでは、その関係は逆転する。9割どころか、それ以上の利益は本人に還元され、努力が報われる仕組みなのだ。コンテンツを作る当事者が報われる仕組みが、今以上に活気を持つことはあっても減速することはないだろう。日本は世界有数のコンテンツパワーを持った国だ。NFTという個人が報われる仕組みの登場が、日本のコンテンツ産業を大きく発展させていくかもしれない。
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【おしらせ】サキシルの特集ページ「NFT & Digital Economy」はこちら。
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