維新・国民連携は自民「最大の脅威」になるか?ネット民の意見百出

自民・長島氏「おそらく第2極になる」

週末のテレビ発の政治報道では、衆院選で躍進した日本維新の会と国民民主党の連携が話題になった。7日放送のフジテレビ系「日曜報道. THE PRIME」に維新の吉村副代表(大阪府知事)と国民の玉木代表が生出演し、連携や憲法改正について前向きな姿勢を見せた。

テレビ発言で連携前向き

衆院選で立憲民主党と共産党の「野党共闘」勢力が後退した中で、維新と国民は解散前勢力からそれぞれ維新が11から41、国民が8から11に議席を積み上げた。投開票から1週間が経つが、吉村氏は維新の躍進について、「(比例主体の大阪以外は)あくまで期待感」と冷静な見方を示しながらも、大阪で自民を圧倒したことを引き合いに「自民党と真正面からぶつかる野党は必要」と述べた。玉木氏は国民の議席増を「右にも左にも偏らない改革中道が大事」「“対決より解決”を訴えたが、コロナの中でどうしていくのか国民は示してもらいたいと求めている」と振り返った。

そして、注目されている両党の距離感について、玉木氏が週明けの9日にも双方の国会対策委員長が協議する予定に触れ、「どういう協力ができるのか話し合いをスタートしたい」と述べると、吉村氏は合流や会派結成には慎重な姿勢を示しつつ、「個々の政策で国民民主の皆さんと価値観は近いところもあるので、実現するために協力していくのは重要」と前向きに語った。

両党の動向が政局のカギを握る理由の一つが、総選挙の結果、憲法改正の国会発議に必要な総定数の3分の2(310議席)に自公両党(計291)だけでは届かず、維新と国民を合わせて311に達するからだ。憲法改正問題について吉村氏は「自民党が本気にならないと国民投票には辿りつかないが、自民党は(改憲が)党是と言いながら一部の保守層のガス抜きになっている。本気で自民が憲法改正をやろうと言うのなら我々も付き合うが、“やるやる詐欺”に付き合うつもりはない」と強調。玉木氏は「(憲法審査会を)開くこと自体がすごいという文化を変えていかなければ」と述べた上で「自民党が本当にやる気があるのかと思うことは多々ある」と吉村氏と同調した。

自民・長島氏「最大の脅威」論で議論活発

長島氏(Facebook)

番組でのやりとりは、共同通信が昼前に「維新と国民、改憲に向け連携」と速報。ヤフーニュースのコメント欄では4000を超える書き込みがなされるなど盛り上がりを見せたが、ツイッターでは自民党の長島昭久衆議院議員が「機が熟すというのはこういうことなのか。この国維連携は、次期衆院選における自公連立に対する最大の脅威となり得る。重大警戒しつつ、政策論議の質を高めていきたい」と、好敵手の出現を前向きに捉えるようにコメント。

さらにネット民から「第3極が現実味ですね」と水を向けられると、「おそらく第2極になると思います」とも評価。政治学者の竹中治堅氏が「その場合でも左派ブロックがかなり得票し、非自民票が割れるので、なかなか自民をつき崩せません」と選挙の現実を指摘すると、長島氏は「ですから、最後は政策協定で連立だと思うのです」と応じた。長島氏はかつて、自民党との二大政党制をめざし民主党から政治活動を始めた経緯もあり、非自民の保守中道勢力の台頭で国会の政策競争が活発化し、憲法改正などの宿題が前進することへの期待感を現在も抱いているようだ。

フォロワーらのリプライは3桁に達し、議論は百出。右派系のアカウントを中心に

「立民中心の国会から実質議論のできる国会に変わっていくのを期待します。両党足すと予算を伴う法案提出もできるので、自民党にも刺激になると思います。」

「自公連立での様々な安全保障政策においては、公明党は自民党の足かせとなりマイナス効果が少なからずありますが、国維連係はプラス効果が大きいので、自公連立したままであれば、自公にとって国維連係は大変な脅威になると思います。」

といった賛同者も多かったが、

「国民民主が出来てから言われていた事ですがなし得なかった背景にも注目しなくてはなりませんね。雇用の流動化(解雇権の緩和)を主張する維新と連合が背景にある国民民主。いづれやり合う事になるでしょうが改革路線を噛み砕いていかないと自民も厳しいですね。」

と言うように、維新・国民民主がスムーズにいくのかも含め冷静に捉えている意見もあった。

他方、憲法改正の動きを警戒する左派系のネット民はツイッターでハッシュタグ「#改憲煽るフジテレビは国民の敵です」を立てて一時トレンド入り。報道を牽制しようとする動きがあった。

 

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