維新、代表選実施なら足立氏、音喜多氏が条件付きで出馬意欲

「創業者から真に自立するか」橋下氏の“煽り”奏功

衆院選での躍進を受け、日本維新の会で代表選を行うか党内での議論が活発化。12日にはツイッターで出馬に意欲を見せる議員が複数出てきた。

出馬への意欲を示した音喜多氏(左)と足立氏

先に名乗りを上げたのは足立康史衆議院議員(大阪9区)。この日11時過ぎ、松井代表(大阪市長)や吉村副代表(大阪府知事)、馬場幹事長が出馬しない場合との条件付きで「松井、吉村、馬場各氏が立候補しないのであれば、私が立候補します」と明言した。

さらに正午を回ると、今度は音喜多駿参議院議員(東京選挙区)が「私は今なお松井代表もしくは吉村副代表が出馬されての代表選を熱望しています」と述べた上で、「選挙が行われる場合、大阪以外からも候補が出るべき」との考えを示し、東京維新の代表を務める柳ヶ瀬裕文参議院議員が立候補しない場合、「東京からは私が手を上げます」と意欲を見せた。

維新の代表職をめぐっては、昨年11月の大阪都構想の是非を問う住民投票で否決されたことを受け、松井代表が市長任期の切れる2023年4月限りでの政界引退を発表している。維新は今月27日に行う当院投票で代表選を実施するか決める予定だが、創設者の橋下徹氏の政界引退後、組織を牽引してきた松井氏のリーダーシップへの期待は根強く、代表選を行わずに松井氏の続投を望む声も根強かった。

橋下氏が代表選「仕掛け」

一方で、橋下氏は衆院選直後から代表選の必要を度々言及し、古巣に“揺さぶり”をかけてきた。今月8日にはツイッターで「維新の会は、松井さんに甘え続けるのか。創業者たちから真に自立するのか」と迫ったほか、足立氏が出馬への意欲を明らかにする前の12日未明に「代表選をやる方向に決まる可能性も少なからずあるとの見通しを持ち始めています」とツイートすると、橋下氏はこれをリツイートして代表選待望論を畳みかけた。

一連の橋下氏の発信の裏には「野党に強くなってもらいたい」(橋下氏ツイート)と述べているように、維新にも本格的な政策論戦を行うことで組織の足腰を鍛え、自民党が総裁選で党勢を回復させたように、全国展開に向けた党勢拡大の基礎を固めさせる狙いがあるとみられる。

松井代表は11日、ローカル政党からの脱却を期し、代表選の出馬要件としていた「大阪維新の会からの推薦」を撤廃する考えも示しており、代表選を行う機運が体制面からも強まっている。ただ、松井氏、吉村氏らは代表選に出馬しない意向を示している。

 

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