エルサルバドルがビットコインの利益で動物病院を完成。さらに20の学校建設へ!

国民に暗号通貨教育も推進
  • エルサルバドルが法定通貨にしたビットコインが値上がり。利益で動物病院建設
  • ブケレ大統領はさらに20の学校設立を宣言、暗号通貨教育も行う
  • 国民は銀行口座よりもビットコイン口座の保有者が多い。最貧国からの挑戦が続く

エルサルバドルのブケレ大統領が、今年9月に世界で初めて国の法定通貨にしたビットコインで得た利益で、新しい学校を20校建設することを宣言し、日本でも注目を集めつつある。

エルサルバドル・ブケレ大統領(政府公式 Twitter )

発表したのは11月1日、同国初となる国立動物病院「Chivo Pets」の開設イベントでのこと。この病院は同国がビットコインを法定通貨化して得た利益で初めて建設した社会インフラ。たった30セントで動物を診てもらうことができるという。病院設立にあたっては、300人の雇用も生まれている。

さらにブケレ大統領は、数百万ドル残っているという利益分の使い道として、「最初にビットコインの学校を20校建設する。設備の整った、モダンなものにする。神様は喜んでくれているはず」と満足そうに語り、「この様な短期間で、多くのメリットを享受することができた。(世界に出稼ぎしている国民は)手数料を取られること無く、いつでも海外送金を受け取れるようにもなった」と成果をアピールした。

エルサルバドルは9月の法定通貨化にあたり、400BTCの購入から開始。ここまですでに1120ビットコイン(83億円)を所有している。ビットコインの価格は9月の時点で500万円台だったが、11月前半の現在は700万円代に増えた。法定通貨化からわずか2か月で、すでに国として莫大な余裕資金を得られた。

新たに発表した20の学校の設立も、ビットコイン基金からの余剰金から建設資金が拠出されるが、もともとあったMy new schoolプログラムという400の学校建設プログラムに、新たに加えられたものだ。この20の学校では、ビットコインなどの暗号通貨の教育もあわせて行うという。暗号通貨の技術者(ブロックチェーンエンジニア)は世界で強い需要がある分野で、エルサルバドルで教育を受けた子どもたちが今後、高報酬で世界から引っ張りだこになる展開も十分にありうる。

もともと、エルサルバドルでは人口の70%が銀行口座を持っていなかった事情もあり、ビットコインが法定通貨となって以降は、すでに同国の国民は、銀行口座よりもビットコイン口座を持つ人の方が多くなっているという。エルサルバドルの全国民は9月に「chovo」というアプリを通じてビットコインを3000円(30ドル)相当受け取っているが、この2か月の値上がりを国民も実感しており、同国の購買力も30%以上高くなっているという。

独自通貨の発行など行政において大胆に活用する手法は、自治体レベルでは、アメリカのマイアミ市やニューヨーク市の取り組みがここ最近注目を集めているが、エルサルバドルのように国レベルで取り込もうとする動きは世界でまだ希少だ。

ブケレ大統領は現在、国際空港、電車、病院、衛星や、サッカースタジアム、図書館など公共プロジェクトを公約している。「世界の最貧国」の一つとされてきたエルサルバドルが仮想通貨を国の成長の起爆剤にしようとする試みが、奏功するか今後も世界各地から注目を集めそうだ。

 

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