中国共産党が「6中全会」を実施、香港の識者「習近平は鄧小平の一国二制度ねじ曲げ」

「リンゴ日報」廃刊後も残る民主派論調
ライター
  • 中国共産党が「6中全会」。史上3回目の「歴史決議」で習近平の権威高め
  • 香港の識者は「より強硬な姿勢を見せるだろう」と指摘。鄧小平とも比較
  • 中国政府に批判的だった「リンゴ日報」廃刊後も残る民主派論調が残る

中国共産党は11月8日〜11日まで、党幹部300人以上による重要会議「6中全会(中央委員会第6回全体会議)」を実施。習近平国家主席は毛沢東、鄧小平に続く史上3回目の「歴史決議」を採択し、自身の権威を高めた。

6中全会で発言する習近平国家主席(中国政府公式サイト)

香港の民主派ネットメディア「立場新聞」は政治評論家の劉鋭紹氏のコメントを掲載。

「公式発表では毛沢東、鄧小平、江沢民、胡錦濤と4人の指導者の功績を並べていたが、それらは全体の3分の1程度で、半分は習近平に関するものだった」

発表では習近平について「歴史を主体的に動かす偉大なる精神、巨大な政治的勇気、強烈なる責任感」を持つ人物として紹介。「完璧な人間とのイメージを打ち立てた」と劉氏は指摘した。

「歴史決議によって習近平の功績と地位を確立し、人々の支持を集め指導力を強化したのだろう。逆に言えば、指導者としての自身の立場が不安定であるという自覚を習近平は抱いているのかもしれない

会議では香港について「一国二制度を堅持して病根を根本から治療し、愛国者による香港政治を着実に行い、混乱状態にあった香港社会を安定させる」などと指摘していた。

「今回の歴史決議によって、香港社会はより緊張が増すことになる。習近平は鄧小平の唱えた一国二制度をねじ曲げており、香港に対してより強硬な姿勢を見せるでしょう

続いて、鄧小平時代と比べて香港社会は大きく変容したと説明。

「鄧小平はかつて『国を愛することと中国共産党を愛することは違う。中国共産党を今後も非難し続けてもらって構わない。どんなに非難したところで、中国共産党が倒れることはない』と語っていた。これは今でも有効なのでしょうか?国安法(国家安全法)という法律のなかで、鄧小平の唱えた一国二制度は事実上、否定されてしまっています

香港では国家安全法成立後、中国に批判的な大衆紙「リンゴ日報」が廃刊となったが、ネットメディアでは現在も「立場新聞(STAND NEWS)」、「独立新聞(in meadia)」、「衆新聞(Citizen News)」など、民主派寄りの論調がある程度は残っている。

 
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