創刊SP対談 山口真由さん #1 ポリコレ報道の罪深さ

メディアは“燃やして”終わりでいいのか?
  • 山口真由さんと新田編集長が昨今のメディア空間の「病理」を語る
  • 「ポリコレ」化する報道、問題の構造を解き明かしているか?
  • 見掛け倒しの反権力になっていないか?世の中は複雑なもの

山口真由さん対談

SAKISIRU創刊スペシャル対談第2回のゲストは、山口真由さん(ニューヨーク州弁護士、信州大学特任教授)。東大法学部を総長賞を受けて卒業し、財務省を経て弁護士に。テレビでの本質をつく鋭いコメントでもおなじみです。山口さんは以前の著書で、「極端な左翼でも右翼でもなく、他者の意見に耳を傾け、違いを尊重し、共有点を探す試みができるだろうか」と、“党派性の病理”を提起していました。共感した新田編集長が、昨今のメディア空間について山口さんと語らいました。

二極化では本質に迫れない

【新田】お会いするのは5年ぶり。ハーバード留学から帰国直後にテレビ番組で共演して以来です。翌年、アメリカでの体験を生かして上梓された『リベラルという病』(新潮新書)で「コンサバ(保守)VSリベラル」の問題を提起されていました。

党派的な論争ばかりで、当事者が置き去りにされ、問題解決が進まないことを、僕自身も痛感していたので、私も本を読んで共感したのですが、出版から4年。日本の首相もアメリカ大統領も変わり、世界的にもコロナ禍に直面するなど激変しましたが、かつての著書で指摘された党派性の問題は、さらに酷くなったと思いますか?

【山口】酷くなりましたね。欧米の、特にアメリカの二極構造はここしばらくあったと思うんですけれども、日本までこういう状況になってきました。最近でいえば森喜朗氏の女性に関する発言問題。全てのメディアが同じように「森叩き」に終始するばかり。なぜ構造なのか解き明かそうとするのが足りなく見えます。

【新田】森発言問題、山口さんの見立ては?

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