関西スーパー株主総会、ホントに不正はなかったの? ネットで“陰謀論”も

会社側「適法かつ公正に行われた」

関西スーパー(本社・兵庫県伊丹市)の臨時株主総会で、エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O、同・大阪市)傘下企業との経営統合案を決議した際、投票集計後に「棄権」票が「賛成」票に置き換わった問題で、当該株主から票の取り扱いについて申し入れがあった時点から、関西スーパー側が総会検査役に別室での相談を要請するまで、数分程度の短い時間だったことがわかった。総会の検査役を務めた弁護士が先週、当日のさらに詳しい経緯を神戸地裁に追加報告していた。

Lowell Silverman /Wikimedia Public domain

臨時株主総会は10月29日に開催。事前に賛成するつもりだったのに会場でのマークシートを白紙で提出した株主が同日15時30分ごろ、「票の取り扱いを確認したい」と受付に申し出、その約15分後、検査役に関西スーパー側から「別室で話したいことがある」と要請があったというのが当初の公表情報だった。

本サイトではこれに基づき、「問題の株主が名乗り出てから、検査役に報告するまでの「舞台裏」の空白ともいえる約15分の間に何があったのか」と提起したが(前回の記事)、“空白時間”がさらに短くなったことで、この段階での不正行為などの特異な事象は当初よりは考えにくくなった。

しかし、この総会運営に疑義を呈し、地裁に仮処分を申請したオーケー(本社・横浜市)側の疑念を晴らせるかといえば、まだ不十分と言える。いずれにせよ、検査役は15時10分ごろには、統合案の賛成比率が65.71%で、有効比率の約66%にギリギリで達していなかったことを確認していたことに変わりはないからだ。

当該の株主が名乗り出たのは、議長が僅差のため集計作業が間に合わないと休憩時間を1時間延長すると宣言してから約30分後のこと。およそ30分もあれば、万一、同社が、統合案の採決が否決されるとほぼ見極めた上で、白票をひっくり返す可能性がある法人株主に連絡を取り、その法人が総会会場にいる社員に対応させることは物理的には不可能ではない。

オーケー側も「万一のシナリオ」の指摘まではさすがにしていないが、ネット上では、株式投資の経験者らの中に、ある種の“陰謀論”をささやく人もいて奇妙な関心を集め始めている。

関西スーパーは、あくまで「事前に提出していた委任状及び議決権行使書においても本議案について全て賛成の意思表示をしていた」などの理由を挙げ、逆転での賛成票は有効であると強調。12日には「本総会は適法かつ公正なプロセスの下で行われたと確信している」との見解を重ねて出すなど正当性のアピールに躍起だ。

一方で、総会当日の会場内で、投票の際にマークシートに記入がない場合は棄権として扱うことはアナウンスされており、株主総会での投票は事前の通知書面に対し、当日に投じる1票を優先するのが実務上の慣習という点も考慮すると、裁判所が票の扱いをどう判断するかが大きなポイントだ。

公職の選挙の場合はたとえ有権者の意中の結果と異なったとしても、棄権となる白票や、別の候補者への一票を一度投票箱に入れてしまえば、厳密にそのままの票が有効に取り扱われるが、株主総会については締め切り後の票の転換が認められてしまうのだろうか。地裁の判断の行方は、関西スーパーの経営権の問題だけでなく、他社の株主総会の運営のあり方にも関わりかねない。

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