「保健室の先生がソープランドで副業し懲戒免職」は処分として重すぎ?

痴漢やトイレ盗撮した男性教師は停職処分なのに...
ライター
  • 多摩地域の女性教職員(28歳)が性風俗店で副業し、懲戒免職となった
  • 女性は非正規教員で一人暮らしの資金集めのため、副業していたという
  • 商業施設で女性に体液をかけた男性教師は停職1カ月で済んでいる

※画像はイメージです(CreativeWorks /PhotoAC)

東京都は15日、多摩地域の女性教職員(28歳)が性風俗店で副業していたことを理由に、懲戒免職処分にしたと発表した。

これまでの報道によると、女性教師はソープランドに勤務。公立小学校で1年契約の非正規教員として、保健室の先生をしていた。給与は20万円台の後半で、ソープランドで働き始めたのは20年2月からとされる。女性教師は聞き取り調査に対し

「実家を離れて都内で暮らす金を貯めたかった」
「校長はじめ児童、保護者の信頼を裏切り、心より反省しています。教員として、あるまじき行為でした。私の考えの甘さから大変なことをしてしまったと重く受け止めています」

と話しているという(出所:FNNプライムオンライン)。

東京都は、女性教師の行為は「売春」であり「不適切な行為」と認定。副業(兼業)をしていたことも処分理由となった。公務員は、法律で副業が禁じられている。だが、児童買春や痴漢といった明確な犯罪行為と比べて、処分が重すぎるのではないかという声がネット上では出ている。

「副業公務員」「性犯罪教師」処分例

副業によって処分を受けた公務員は、次のような事例がある。

・病気休職中にラノベ(ライトノベル)小説を執筆して小説4冊を出版した神奈川県平塚市の男性職員(28歳)
→停職6カ月

・フードデリバリーで約140万円を稼いだ横浜市の市立中学校の男性教師(53歳)
→停職6カ月

・塾講師などの仕事を勤務時間外に続けていた横浜市の市立小学校の女性事務職員(60歳)
→減給10分の1(6カ月)

・カルチャーセンターで講師を務めた横浜市の男性職員(47歳)
→停職6カ月

一方、性犯罪者と教師に対する処分では、例えば次のようになっている。

・商業施設で女性に背後から体液をかけて逮捕されていた長野県上田市の小学校の男性教師(53歳)
→停職1カ月

・岩手県一関市内のトイレで女性を盗撮した50代男性の副校長
→停職3カ月

・京急線車内で痴漢をした疑いで現行犯逮捕された横浜市の市立中学校教師(28歳)
→停職6カ月

・帰宅途中の女性に声をかけ公園に連れ出して身体を触り、強制わいせつ容疑で逮捕された神奈川県相模原市の市立小学校教師(22歳)
→停職6カ月

・小田急線を走行中の車内で中学1年生の女子生徒に股間を押し付け体液をかけ、逮捕された神奈川県伊勢原市の小学校教頭(59歳)
→懲戒免職

女性教師の困窮状態を危惧する声も

他の事例と比較して、ソープランドで働いていた女性教師に懲戒免職という処分は、確かに量刑として重すぎるように見える。あるいは、性犯罪を犯した教師への処分が軽すぎると言える。どちらが人間として卑劣なものか、常識で考えれば分かりそうなものだが。

ツイッター上では、次のようなコメントもあった。

何で同じ先生でソープランドで働いてた人は懲戒免職で精子かけた男は1ヶ月間停職なの?男に甘すぎじゃね?
あれ二人とも先生だったよね?副業禁止云々は分かるけど男の方がよっぽど害だよな?

女性教師が困窮状態にあった可能性を指摘する声もあった。

引っ越し資金を貯めるために小学校教諭の女性がソープランドで働いていたので懲戒免職…『学校教員がソープランドで働いていたこと』も確かに大問題ですが、『ソープランドで働かないと引っ越しの資金も満足に貯められないほど小学校教諭の給与が低い』ということも問題なのかもしれません。

「オタク議員」として知られる東京・大田区議の荻野稔氏(無所属)は、「ソープランドが悪いんじゃなくて、副業禁止規定の方なんじゃないですか」と述べ、むしろ現行の就業規則に疑問を呈していた。

副業規定や処分内容など、現在の教育行政のさまざまな問題を感じさせる今回の事案。現在の学校現場の価値観は、社会常識とズレているのかもしれない。

 

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