電波オークション、ドコモが容認も、楽天・三木谷氏「愚策だ」猛反発

「自分の会社に不都合なことは反対なんですね」の声も

OECD加盟国で唯一、日本が実施していない電波オークションを巡り、携帯キャリア各社トップによる対立が表面化してきた。

metamorworks /iStock

きっかけはNTTドコモ井伊基之社長による16日の発言。この日、総務省で開かれた「携帯電話用周波数の割当方式に関する検討会」の会合に出席した際、「今後の(電波)割り当ての方針として検討することは価値がある」と述べた。ドコモをはじめ、通信大手はこれまで電波オークションの実施について、入札額の高騰を懸念し後ろ向きだったが、井伊社長の発言は方向性を大きく転換する可能性を初めて示したもので、16日夜にビジネスメディアで速報されてからネット上の注目を集めはじめた。

楽天・三木谷浩史会長兼社長(写真:つのだよしお/アフロ)

これに対し、昨年から第4のキャリアとして参入した楽天は猛反発。三木谷浩史会長兼社長は一夜明けた17日昼前にツイッターを更新。「電波オークションは、docomoなど過剰に利益をあげている企業の寡占化を復活するだけで、最終的にはせっかく下がってきている携帯価格競争を阻害する『愚策』だ」と強烈に批判。さらに「ドコモなどにとっては当然資金力に物を言わせて新規参入、競合排除するには漁夫の利だろうね」とドコモ側の思惑を見透かすように皮肉を述べた上で、「弊社として大反対」と言い切った。

公正性と競争性の両立をどう図る?

現行の電波の割り当て制度は、総務省が参入を目指す企業の事業計画を審査する「比較審査方式」を採用。ただ、このやり方は役所側の裁量に負う部分が圧倒的で、民間の自由競争に委ねるべきとのオークション推進論者から長年批判がつきまとってきた。

電波は5Gの普及や、IoT、自動運転など今後のテクノロジーの発展を見越し、これまでの割当方式のあり方が問われているが、楽天がキャリアに参入した際には、従来型の審査方式でありながら、3大キャリアの寡占状態だった携帯電話市場に、新規プレイヤー参入による活性化を促す意図を重視。新規事業参入に加点する方式を取ったという経緯がある。確かに純然たるオークション方式を実施すると、三木谷氏が懸念するように資本力で劣る事業者には参入のチャンスが減るリスクが強まるが、三木谷氏のツイートには

「自分の会社に不都合なことは反対なんですね笑」

「電波利権をこじ開けて巨額投資を行なって大きな賭けに出たのですから同情はしますが、国益全体のためには電波オークションは必要です。」

などの批判もあった。実際、電波オークションは割当の透明性を確保し、国側にも巨額の落札金が入るメリットも大きい。

公正性と競争性の両立をどう図っていくのか。各社の思惑も錯綜しながら、激しい駆け引きが繰り広げられる可能性が出てきている。

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