北京冬季五輪「外交的ボイコット」に、中国SNS「コロナを持ち込まれるから来なくていい」

「人権問題で言いがかり」
ライター
  • アメリカとイギリスが北京冬季五輪への「外交的ボイコット」を検討
  • 中国のSNSでは「どうか来ないで欲しい」など強気なコメントが多数
  • 大手紙「環球時報」は社説で「北京五輪への招待を取りやめるべき」

 

2022年2月4日開幕予定の北京冬季五輪について、アメリカのバイデン大統領、イギリス・ジョンソン首相が中国の人権問題を理由に「外交的ボイコット」を検討していると表明しているが、中国のネットユーザーの反応はどうなっているのだろうか。

2008年夏季大会と同じメインスタジアムとなる「鳥の巣」(Cn0ra /iStock)

「外交的ボイコットは、大会に選手団のみを派遣し、政治家や政府関係者を派遣しないことを指す。なお、日本は、岸田首相は「それぞれの国で立場があり、考えがある。日本は日本の立場で物事を考えていきたい」と述べるに留めており、まだ何も決まっていない状態だ。

中国外務省は「スポーツを政治問題化することは五輪精神に反し、各国選手の利益を損なう」と表明し、「外交的ボイコット」に強く反発している。米中はバイデン大統領と習近平首席が16日にオンライン会談を行い、互いに友好的なムードを演出したばかりだった。中国のSNS「微博(ウェイボー)」では、中国ネットユーザーたちの強気な発言が目立った。アメリカやバイデン大統領について

「このじいさん、コロっと態度を変えやがった」

「こいつ見た目は善良そうでも、中身はとても陰険だ」

「これだからアメリカ人の話は信用できん。『ブタが空を飛んだ』という話のほうがまだ信用できる

こっちから願い下げだというコメントや、外交的ボイコットは失敗に終わるとの見方もあった。

「アメリカはウィンタースポーツが強くないから、来ても来なくてもどうでもいいよ」

「アメリカはチベット・ウイグル、それに台湾の独立や人権問題で言いがかりをつけて中国の世界での活動を邪魔しているけど、成功した試しがない」

他方、中国国内では、「アメリカが中国・武漢にコロナウイルスを持ち込んだ」との陰謀論も根強い。

「どうか来ないで欲しい。またウイルスを持ち込まれたら困るから」

「ボイコットしてくれてありがとう。アメリカが来なければ、武漢でコロナなんて発生しなかったんだ!」

中国の大手紙「環球時報」は、社説で次のように述べた。

「アメリカは冬季五輪で政治的に甘い汁を吸おうとしており、みだりに中国への圧力を加えようとしている。アメリカの政府高官は、北京五輪の善意あるゲストにはなりそうにない。ワシントン政府高官に対する北京五輪への招待を取りやめるよう、中国は決定すべきである」

売り言葉に買い言葉というべきか、「それならこっちから呼んでやらん」という考えを示した。冬季五輪もまた、米中対立と無縁ではいられないようだ。

 

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