立民代表選、記者会見で「朝日・毎日のみ」質問できる不可解

「東京タイムズ」は山中問題を提起
  • 横浜市内で立憲民主党代表選挙の記者会見を行った
  • 「東京タイムズ」記者は山中竹春横浜市長の問題を提起
  • 新聞社で質問が許されたのは、毎日新聞と朝日新聞のみ

立憲民主党は25日、横浜市内で代表選挙候補者4名が候補者会見を行った。19時30分から始まった会見は、冒頭で4氏が挨拶を行い、その後記者からの質疑応答を受け付けた。最初に指名されたのは「東京タイムズ」の記者で、次のように質問した。

――横浜市長の山中竹春氏がアメリカ国立衛生研究所のリサーチフェローと選挙中に名乗っておりました。当該機関はこれを否定しております。横浜市立私大への地位を利用した権力介入など、スキャンダルの多い人物です。小川淳也さん、逢坂誠二さんは応援に入りましたが、政権与党には厳しいあなたがたが、自分が応援した市長のウソ、パワハラについてどう思っているのか。こういう問題のある人物を候補者にしないために、どう改革をされるおつもりなのか。最後に横浜にお越しくださったので、是非お聞かせください。

両者はこう答えた。

小川淳也

同僚議員の要請を受けて、市長選挙の応援に参りました。市政の当時言われていた課題をそれなりに整理して、山中さんのプロフィール等についても勉強しました。色々と言われていることも理解をしておりましたので、ご本人を目の前にして、さまざまな声や、もし疑惑等があるなら誠心誠意お答えして、政治姿勢をきちんと正して欲しいとご本人の前で申し上げた
その後のことを、私が今の立場から市長に対してとやかく申し上げることは、本当に申し訳ないんですが、控えさせて頂きたいと思います。山中さんのほうでそういう声があるのであれば、真摯に向き合って頂きたい。一人の政治家の同志として、それを願っております。

逢坂誠二

私自身も小川さんと同じように同僚議員からの要請があって応援にお邪魔させて頂きました。その際に、自分で経歴などを調べてこのような方なんだなと。あとは同僚議員にもどんな方ですかということを聞いて、応援に入らせて頂いた。私の場合は山中さんと事前に話をする機会はございませんでした。したがって、実際に市長に当選されてからどのようなことをされているかは、その後の場のなかで色々と解明されていくんだろうと思いますので、これ以上の言及はできない。

東京タイムズを検索すると、芸能ニュースを中心としたエンタメ系のニュースサイトだった。その後、ネットテレビ局「フランス10」の及川健二氏からサキシル記者に連絡があり、こう説明された。

「今日の会見で質問していた『東京タイムズ』は、私が代表理事を務めている一般社団法人『Act Up』の系列会社で、質問文は私が事前に用意しました。ああいう場面では、最前列の真ん中が指されやすいので、座席位置も指定しました」

両者の回答には、驚きもあったという。

「前回の会見では、小川さんは『控えさせて頂く』としか語らなかったので、今回はもう少し踏み込んで答えたのは意外でした」

横浜市内で行われた記者会見の模様(25日、立民公式サイトより)

記者会見はその後、

  • フリーランスのアオヤマ氏(各候補のアピール点)
  • 毎日新聞(党の支持率をどうやって上げるか)
  • 週刊文春(年金をどうするか)

の3人の質問を受け付けたところで、司会者が「次の予定がございますので」と言って強制的に終了を宣言。あまりにも短時間の記者対応に、野次が飛んだ。

その後、逢坂氏が「10分だけなら伸ばしてもいい」と言って会見を再開。

  • 朝日新聞(日本維新の会について)
  • 朝日新聞(日本の人口の目標値)
  • フリーランスの横田一氏(労働組合「連合」との関係)

について答えたところで、会見は終了した。

結局、新聞社で質問ができたのは毎日新聞(1回)と朝日新聞(2回)だけだった。逢坂氏から“ご厚情”を頂いて10分延長したとはいえ、全体の質疑時間は30分足らず。立民代表選がいまいち盛り上がらない原因の一つは、こうした党の姿勢も背景にあるのかもしれない。

(西谷 格)

 

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