バッハ氏来日見送りと大阪50人死亡、五輪中止論強まる

池江選手「選手を暖かく見守って」
  • IOCバッハ氏の来日見送りへ
  • 同日、大阪府はコロナによる死者50人を確認
  • ツイッター上で五輪中止の声が強まる中、池江璃花子選手が心境を吐露

Ryosei Watanabe/iStock

17日に来日を予定していたIOCのバッハ会長の来日が7日、見送られることになった。東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長はこの日、バッハ氏の来日について「非常に厳しい」と発言した。

当初の予定では、バッハ氏は17日に行われる広島市の聖火リレーの式典に出席するほか、菅義偉首相や橋本会長らと面会する予定だった。五輪開催まで2カ月あまりというこのタイミングでの来日見送りについて、ツイッター上では五輪中止を求める声が一段と強くなった。

見送りが決まった詳しい経緯は明らかになっていないが、橋本会長が「バッハ会長に大変に大きな負担をお掛けする」と発言したことなどが「まるで神様扱い」「1人より国民に負担をかけるのか」などの批判を呼んでいる。

一方、大阪府は7日、新たに1005人がコロナ感染し、4月23日から5月6日にかけて「過去最多」となる50人の死亡※を確認したと発表。悲壮なコメントがツイートされた。

政治がもう少ししっかりしていれば助かる命で亡くなる必要もなかっただろうに、ご冥福をお祈りします。

もう出勤怖いです。何とかしてください

バッハ氏の来日見送りと、大阪50人死亡のニュースが流れたこの日は、五輪中止がいよいよ現実味を帯びてきたと感じた人も多そうだ。こうしたなか菅首相は7日、五輪開催の判断について「対策を徹底することで、安全、安心の大会を実現することは可能」と述べ、開催への決意を改めて表明。東京五輪は果たして開催されるのか否か、厳しい状況が続いている。

また、競泳の池江璃花子選手は同日深夜ツイッターを連投。五輪反対に同調するように求めるコメントがSNSに寄せられているといい、「今このコロナ禍でオリンピックの中止を求める声が多いことは仕方なく、当然の事だと思っています」と理解を示した。

その一方で池江選手は、「正直、今日は非常に心を痛めたメッセージもありました。この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです」「わたしに限らず、頑張っている選手をどんな状況になっても暖かく見守っていてほしいなと思います」などと複雑な心境を明かした。

(参考記事)
日経新聞「バッハ会長来日見送りへ 緊急事態宣言延長で」
NHK「IOCバッハ会長の来日見送りで再調整へ 宣言延長受けて」
NHK「大阪府 新型コロナ 過去最多の50人死亡 1005人感染確認」
東京新聞「菅首相 東京五輪『安全、安心の大会は可能』 開催への決意をあらためて表明」

※大阪府の発表数字について補足

【更新21:30】池江選手のツイートを追記

 

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