クーポン給付の印刷費1200億円が論争に。橋下氏と玉木氏の批判に批判も

元厚労省おもち氏「ミスリードの批判は、本質からズレる」
  • 中学生以下に5万円分のクーポンを年明けに配る際の経費1200億円が物議
  • 国民・玉木代表が問題提起。橋下氏が同調し、ネットニュースになって波紋拡大
  • 元厚労省官僚のおもち氏は玉木氏、橋下氏を「ミスリード」批判。その理由は

政府が26日、閣議決定した子育て世帯への経済支援のうち、中学生以下の子育て世帯に対し、年明けに配る5万円分のクーポンの事務的な経費を巡って、ネット上で議論を呼んでいる。

Gomaabura/Photo AC

ツイッターで盛り上がったきっかけが国民民主党玉木代表の投稿。閣議決定の後の日中に「中学生以下の子どもへの5万円給付の予算が7311億円。残りの半分の5万円分はクーポンで配られるが、その印刷費等に1200億円もかかることが判明。しかも自治体の判断で現金給付も可能」と述べた。関連コストに1200億円も計上していることを問題視した玉木氏は「全部現金で配ればいい。この事務費のお金を使えば所得制限で対象から外れた世帯にも配ることができる。愚策」と強く批判した。

ここで橋下徹氏が同調したことが波紋を拡大。橋下氏は玉木氏のツイートを引用して「印刷費に1200億円!これが事実ならほんと政府与党はいい加減にしろ!これを我々が納税して負担するのか?」などと政府にかみついた。

この2人のやりとりがスポーツ紙のネットニュースでも取り上げられ、ツイッターでは「クーポン給付の印刷費1200億円」が一時トレンドワード入り。ヤフーニュースのコメント欄(ヤフコメ)でもある記事には6時間余りで4000を超える書き込みが続出し、

「1200億の印刷費・・・どうせ天下りか身内の企業で中間マージンとるんでしょ。」

「だったら現金振込んでくれた方がいいよな。」

などと、その多くが関連コストの多さを批判する声が集中した。

これに対し、元厚労省官僚のユーチューバー、おもち氏は「印刷費以外も含まれるので、不正確な批判」と、玉木氏、橋下氏を批判。「例えばGoToの事務局費は約1900億円で、過去相場を見ても今回の積算は一般的。本質は『クーポン』という施策自体が、今回の原資規模や施策目的に照らすと妥当でないということ」と述べた上で、予算書に記載された1200億円の内訳について、「利用可能店舗の定義・開拓」「店舗オペレーション説明 」「コールセンターの設置」などの項目を列挙した。

おもち氏は、こうした内容から「これを全国規模で実施すれば、事業費1200億円という、積算相場自体は普通にあり得ること」と指摘した上で、「個人的には、他の施策も考えられる中でクーポン施策がベストとは思わないです。そして結果的に事務費として民間にお金は落ちますが、それが本施策の目的ではないので、批判されるべきだと思います。ただ「印刷費が1200億円!」という程度の低いミスリードの批判は、本質からズレるのでやめて下さい」などと玉木氏や橋下氏らの批判の仕方に苦言を呈した。

ただ、玉木氏はおもち氏がツイートする数時間前、「週明け正確に確認しますが、1200億円は現金給付に伴う事務費も含んだ金額で、クーポンで給付することに伴う事務費の増加分はそのうち900億円」とコストの内容について言及。「いずれにしても1000億円近い税金が印刷費や広報宣伝費といった事務費に使われる。そんなお金を使うくらいなら、所得制限を外して一律現金給付した方がいい」と、給付コストの抑制を改めて訴えた。

一方、橋下氏も深夜になり再びツイッターに投稿。給付の事務的な経費が、現金一括給付よりも約900億円も高い1200億円となることを伝えたNHK記事を引用しながら、「何やってんだ日本の政治行政は!批判覚悟でマイナンバーと所得情報と預金口座の紐付けを断行すれば、給付経費は0円に近づく。それくらいやれよ!」と橋下節をさく裂させていた。

コロナ給付金はSNS上での政治的トピックで特に関心が高い。事務コストを巡り、今後も議論が盛り上がる可能性がありそうだ。

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