外国人入国停止、岸田首相の狙いは?注目点は?有識者のツイート活発に

ウイルスのシャットアウトが目的ではない

「オミクロン」の感染拡大に備え、岸田首相が29日、いち早く外国人の入国を原則停止すると判断したことを巡って、ツイッターでは有識者らがさまざまな議論を展開している。

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前日、サキシルでも紹介したように、保守層にとっては岸田政権の即応は「意外」だったようで評価されている。国際政治学者の三浦瑠麗氏は今回の即断について「ひとつはっきりしているのは、弱い政権ほど「迅速対応」をするということです。 リベラル(だけとまでは一応いいませんが)がウリの人からリベラルをとったら何になるのかというのは立憲民主党だけでなく岸田政権についても言えることです」との見方を示した。

メディアも、時事通信は30日朝、「岸田首相、迅速対応アピール 菅政権の教訓踏まえ」と題した記事を配信。自民党議員らのコメントを引き合いに、安倍政権や菅政権が入国規制の対応が後手に回ったとの批判を意識していたと指摘。読売新聞も朝刊2面で「オミクロン 先手対応」と、同様の論じ方をしていた。

ただ、自民党外交部会長の佐藤正久参院議員は29日のツイッターで苦言。「外国人、10月は約3万3千人が特段の事情で入国。政府側からはこれまで同様、例外として認める方針と外交部会で答弁。これでは水漏れ、抜け穴になる」と主張した上で、「総理が全世界から外国人入国停止と言っても特段の事情でオミクロン株が入って来る可能性も。外交部会部会から政府に強く是正を求めた」とコメントした。

佐藤氏の見解は昨年来、水際対策の強硬措置を求めた保守層の考えを象徴しているが、このツイートに対し、国際政治学者の篠田英朗氏は「実は10月~11月の間に日本の新規感染者数は全く増えていない。今回の追加措置の意味は、冷静に捉えておきたい。入国規制は手段であり、目的ではない」と指摘していた。保守層だけでなく、リベラル派でも強硬措置を求める意見が相次いでいるが、現実的には、水際をどんなに強化してもウイルスの入国を完全に防ぐことは難しいとの意見もある。

厚労省官僚で、現在は在米日本大使館に出向中の久米隼人氏は「オミクロン株の発生を受けた水際措置について。水際措置はウイルスを一切国内に持ち込ませないために行うのではない。もちろんそうできれば最も望ましいが、コロナのような感染症では不可能に近い」とツイート。米バイデン氏政権の対応を引き合いに「米国ホワイトハウスのファウチ首席医療顧問も、オミクロンを米国外に完全に止めきれないと明言」と紹介した。

さらに久米氏は、今回の外国人入国停止の狙いについて実務的な観点から解説。「オミクロンがどのようなウイルスであるのかを同定するためには数週間必要で、ウイルスの特性を把握し、特性を踏まえた対策を実行するための時間稼ぎが必要。むしろそのために水際措置を行っている」と述べ、「現在検疫は最大限強化されている。無用な攻撃は、むしろリソースをその対応に割くことになり、逆効果」とも付け加えた。

岸田首相が“稼いだ”時間をどう有効に使うべきなのか。久米氏はワクチン未接種の人に対して「これを機に、今のうちにワクチンを打ってほしい」と呼びかけ、米国国立衛生研究所のコリンズ所長がワクチンの一定の有効性を述べていたことに言及していた。

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