オミクロン株が発生した香港では「中国とのボーダーは永遠に閉じて欲しい」の声も

日本でも成田空港で初の感染者を確認
ライター
  • 香港ではこれまで3人のオミクロン株を確認
  • 香港のコロナ感染者数は、日本の約100分の1
  • 変異種の発生により、大陸との往来はしばらく制限が続く見込み

香港では11月28日までに、オミクロン株の感染例が3人確認されている。いずれも香港特別行政区外から持ち込まれたもので、市中感染はしていない。入境制限の強化を実施した。当局責任者は「市中には広がっていない」と説明した。

26日、香港中心街「モンコック」を行き交う人々(winhorse /iStock)

香港では10月8日を最後に、市中感染は50日以上ゼロが続いている。香港特別行政区外から持ち込まれた事例は現在も断続的に確認されているが、1桁台に落ち着いている。

こうしたなか、香港では中国大陸とのボーダー(境界線)をいつ開通させるか、注目されている。現在は中国大陸と香港の間のボーダー行き来する際、いずれの場合も一定の隔離期間が必要となっている。

香港大学伝染病センター総監の何栢良氏は、オミクロン株の発生について

「ボーダーの開閉に影響が出るだろう。現在は香港と中国の間で、細部まで協議できていない」

と説明。中国では航空会社スタッフは隔離免除されていると見られるため、「安心できない」とした。

当初は12月はじめにも隔離を免除しボーダーを開通させることを予定していたが、オミクロン株の出現によって、12月中旬以降に延期されると見られている。香港では12月19日に立法会(国会に相当)選挙を予定しているため、選挙前にボーダーを開くことで大陸在住の香港居民が投票日に大量に行き来する恐れもある。

Sky_Blue /iStock

フェイスブック上でも、ボーダーの開通について否定的意見が目立った。

「中国国内でもコロナの感染が続いていて、ボーダーを開くのは香港人にとってリスクが高い。変異種が見つかったこの状況では、さらに現実的ではない」

「ボーダーを開いたら、中国からコロナ患者が大量に押し寄せて来そうだ」

「ボーダーは永遠に閉じていればいい!」

香港に住む36歳の男性は記者の取材に対し、こう語った。

「市中感染はしていないので、特に心配はしていません。中国との行き来については、感染が落ち着いたら再開すべきと思いますが、もう少し時間がかかるかもしれない」

ロイター通信の集計によると、香港のこれまでの新型コロナの累計感染者数は1万2400人で死者数は213人。日本の感染者数は173万人、死者数は1万8400人。数字だけを見れば、香港の感染者数は日本の100分の1以下まで抑えられている。ちなみに香港の人口は約750万人で、日本の約16分の1に過ぎないため、人口比を考慮しても香港のほうが感染リスクが低いと言える。コロナの感染状況がかなり落ち着いているため、オミクロン株についても、香港では冷静な報道が目立つ。

日本では30日、ナミビアから成田空港に到着した30代男性が、オミクロン株に感染していたことが分かった。未知のウイルスとの戦いは、まだまだ続きそうだ。

 

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