日本到着の国際線の新規予約を停止、厳しい措置も「やむを得ない」の声多数

これまで「水際対策がザル」と不安視する声も
ライター
  • 東京都は30日、オミクロン株の濃厚接触者のうち約40人が都内在住者と発表
  • 施設での隔離を「要請」したが、強制力のないお願いに疑問の声も
  • 日本到着の国際線の予約停止については「やむを得ない」の声

東京都は30日、オミクロン株に感染したナミビア人外交官の濃厚接触者70人のうち、約40人が都内在住者だと明らかにした。都は40人に対し、宿泊療養施設に移って隔離するよう要請している。

spooh/iStock

気になるのは、「命令」や「義務」といった強制力のある言葉ではなく、「要請した」、「促した」というあくまで“お願いベース”の指示に留まっている点。

都民ファーストの会の尾島紘平都議は、「都内在住の40人については都から『宿泊療養施設での隔離』を要請しましたが、間に合わなかったかも知れません」と指摘。「やはり水際対策がザル、何も学んでいない」と危機感を示した。

ツイッター上では、水際対策のユルさを心配する声が多数あがった。

濃厚接触者40人が都内住みで、隔離待機は強制ではないって言ってたなぁ…
どう考えても緩和なんてしてる場合じゃなかっだろうに。
検査すら無料で出来ない国が調子のり過ぎたんだよ。
やることやってから緩和してほしい。

都の要請を無視して帰宅されたら、そこからオミクロン株が拡散するかもしれない。
これだけコロナ禍が続いているのに、未だに法律に強制力がないのがなぁ…

それでも、オミクロン株の発生直後に外国人の入国禁止を決めたスピード感は、評価する声が多い。作家で都知事選に出馬経験のある沢しおん氏は、「水際対策の早さや報道の関心の高さ、以前からは考えられないほど強い」と述べた。

また、ミステリー小説家で医師の知念実希人氏は、「日本はワクチン接種率の高さと、マスク等の感染対策で、最も感染が広がりにくい国の一つ」と言い、オミクロン株が国内に流入しても、あまり悲観することはないと指摘した。

70人のうち東京都以外の残りの30人の行き先は不明だが、成田空港を利用している点から、首都圏あるいは東日本の可能性が考えられる。約10人は千葉県内に滞在していることが明らかになっており、千葉県の熊谷俊人知事は、自身のツイッターで「現在、検体採取・検査を順次進めています」と報告していた。

国土交通省は1日、12月末までの1か月間、日本に到着するすべての国際線で新規予約の停止を国内外の航空会社に要請した。厳しすぎるという声も散見された一方、オミクロン株の特性が分からない以上、やむを得ないという声や、強い措置を歓迎する声も目立った。

海外にいる日本人が親の死に目にも会えなくなるような極端な政策だな
ただオミクロン株のリスクが明らかになるまではやむを得ないか

岸田総理は菅政権のコロナ対策について「甘すぎる」と苦言を呈していたので、今回の予防的措置はその信念に則ったものかと。

新型コロナウイルスの変異株は未知の点が非常に多く、もはや“正しく恐れる”ことすら難しい状況。マスク、手洗い、換気……、といった、これまでの対策を粛々と続けるほかなさそうだ。

【追記:12/2 12:00】政府は2日、航空各社に行っていた要請を取りやめたことを明らかにした。

 

関連記事

編集部おすすめ

ランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

人気コメント記事ランキング

  • 週間
  • 月間

過去の記事