豪上院で人権侵害制裁法案が全会一致可決、菅野志桜里氏、日本も「待ったなし」

マグニツキー法先送りの日本、人権弾圧側の「避難先」に?

オーストラリア上院は1日、人権侵害を行った国に対し、貿易制限などを行う現行の経済制裁法をさらに強化する修正法案を全会一致で可決した。近く下院でも可決され、成立する見通し。

Oleksii Liskonih /iStock

現行の制裁法は2011年に制定。国連の制裁とは別に、同国が人権侵害行為を行なっていると認めた国に対して自主的に行うもので、商品・サービスの貿易活動や商業活動の関与制限、対象となった個人や団体に資産凍結を含む制裁、渡航禁止令などを課すことができる。上院の公式サイトなどによると、今回の修正法案では、重大な人権侵害や虐待、汚職、サイバー事件に対処できるよう制裁内容を強化する。アメリカで制定された人権問題による経済制裁を定めた、いわゆる「マグニツキー法」を踏襲している。

“豪州版マグニツキー法”と言える修正案が出てきた背景に、中国の存在があるのは明らかだ。同国では、中国企業が2015年にダーウィン港の99年リース契約を地元州と結んだり、国内の有力政治家に中国マネーの政治献金が流れ込んだりするなど、中国側の浸透工作が表面化して近年問題になっていた。

衆院議員時代の菅野氏(2020年2月予算委、衆院ネット中継より)

衆院議員時代に超党派の「対中政策に関する国会議員連盟」で共同代表を務めた弁護士の菅野志桜里氏は2日、ツイッターで今回のオーストラリアの動きに言及。「オーストラリアは人権弾圧者のSAFE HAVEN(避難場所)にはならない」と述べたペイン外相の発言を引き合いに、「このままいくと、先送りを続ける日本がSAFE HAVENになりかねない」と苦言を呈した。

日本政府は、菅野氏と共同代表を務めていた自民党の中谷元衆院議員が人権問題担当の首相補佐官に就任したものの、制裁法には慎重な構えを見せている。

菅野氏は続けて、ロシア政府に迫害を受けた投資家、ビル・ブラウダー氏が「人権弾圧の関係者が渡航したり資金を預ける避難先を見つけるのは極めて厳しくなる」との歓迎したコメントを紹介しながら、「米・英・カナダ・EUそして豪と制裁法の成立・連携運用を強めるなか、スルーする日本が悪目立ちしてくる」と指摘。「実際、ウイグル問題などで各国から渡航禁止・資金凍結の制裁を受けている専制国家の関係者達は、どの国に子どもを留学させ資金を隠すことになっていくのか?人権弾圧者のSAFE HAVEN(避難場所)として悪名をはせる前に制裁法を成立させるべき。もう待ったなしだと思う」と、政府の早い対応を求めていた。

 

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