日本の外交ボイコットは?菅野志桜里氏「決断を」、三浦瑠麗氏は慎重論

政治系の女性論客、思わぬ“攻守交代”

アメリカのバイデン政権が、北京オリンピックに政府関係者を派遣しない「外交ボイコット」を正式に表明した7日、日本の対応を巡って議論がヒートアップした。岸田首相はこの日、記者団に対し「オリンピックの意義、さらには我が国の外交にとっての意義等を総合的に勘案し、国益の観点から自ら判断していきたい」と述べ、態度を明らかにしなかった。

三浦瑠麗氏(防衛大学校HP:CC BY 4.0

これに先立ち、国際政治学者の三浦瑠麗氏はフジテレビ系の情報番組「めざまし8」に出演した際、日本政府に慎重なスタンスを示した。

三浦氏はアメリカの対応について「新疆やウイグル、あるいはチベットでも中国政府の蛮行は1回(のボイコット)で言うことを聞くわけがない。おそらく中国という国は今後も大国なので、何十年、何百年にわたってずっと外交的にボイコットするんですか?って先例を作っちゃうわけですよ。だからスポーツの場ではやってほしくなかった」と苦言。

さらに「アメリカが先走ることで、クアッド(日米豪印戦略対話)や米国との同盟の間に対応の差ができてしまうので、我々としては逆にそういうことをしないでほしい」と外交的な理由を述べた上で、「日本としてはとにかく米国に追随はしないこと。自分の頭で考えて行動することですよ」と、番組オンエア後の岸田首相の発言を彷彿とさせる言い方で、慎重な対応を求めた。

菅野氏(議員時代、旧民進党サイトより)

これとは対照的に日本政府に毅然とした対応を求めたのが、衆院議員時代に超党派の人権外交議連を牽引した弁護士の菅野志桜里氏。この日午後にツイッターで、外交ボイコットに関して保守系オピニオン誌の取材を受けたことを明らかにした流れで、「外交ボイコットは決して五輪の政治利用ではありません。むしろ政治から離れて五輪の精神を守るための選択です」と主張した。

さらに菅野氏は「各国リーダーが北京に集まり習主席を囲んだらどういうメッセージになりますか?ウイグルのジェノサイドも香港の弾圧をも許容する国際社会からのシグナルとして宣伝利用されること間違いなし」などと持論を示した上で、「実力ある人権国家の日本には、アジアの立場から、中国に毅然と対応する責任があるのです。人権人道問題は欧米国家の専売特許ではないのですから。信念のない国は結局すべての国家から軽んじられます。岸田政権による外交的ボイコットの決断を切に望みます」と、政府が動くように迫った。

三浦氏は日頃、保守中道的な発言が多く、菅野氏は政治家時代に安倍政権の安保法制に反対するなどリベラルな印象が強かったが、北京五輪の外交ボイコットを巡っては、三浦氏がハト派的、菅野氏が強硬姿勢をそれぞれ見せる。政治系の女性論客の“攻守交代”がこの問題の複雑さを物語るようだ。

関連記事:北京冬季五輪「外交的ボイコット」、岸田首相が思い悩む“高次方程式”の中身

 

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