河野太郎氏、ドローン規制改革の成果報告「新たな価値を生み出す好事例」

2025年の6000億円市場に追い風

自民党の河野太郎・広報本部長(前規制改革担当相)が8日朝、ブログを更新し、ドローンに関する規制改革の新たな動きを報告した。

ドローン規制を巡っては2015年4月、首相官邸の屋上に元自衛隊員の男が政治的アピールを目的に中国製の小型機を着地させた事件をきっかけに法整備が本格化。政治・行政の重要施設や、原発などの重要施設や、空港インフラ周辺地域での無許可飛行が禁止されるようになった。一方で、ドローンの普及や技術進化に伴い、企業などから運用面で非効率な課題が出ていることも指摘されている。

河野氏が報告した規制の見直しは2点。

1つは、飛行監視を行う「補助者」配置義務づけの緩和。人口集中地区のインフラ点検の際、これまでは国交省の許可を得た場合でも、「補助者」は必要とされていたが、ドローンの自律飛行技術が進化する中で、夜間を行う設備点検飛行を行う度に補助者を配置することが事業者の負担となっているとの要望を受け、仮想上の境界内でしか飛ばないようにするジオ・フェンス機能など、一定の条件をつけることで補助者なしの飛行を解禁した。

2点目は「ドローンの飛行に関する連絡調整の合理化」(ブログより)。補助者なしでドローンを目視外飛行で運行する場合、衝突防止のために、関連する航空団体や行政機関などの連絡調整が必要だが、全国に約150ある調整先の窓口は、「電話のみ」「FAXのみ」など統一性がないなどの利便性に問題があったという。そこで国交省ホームページなどで調整窓口の一覧化や、連絡方法を電子メールに統一するなど合理化をはかったことを報告。

これらの動きについて、河野氏は「今回の合理化は、ドローンの飛行の申請のワンストップ化に向けた大きな一歩です。また、今回の改革は、規制改革が新たな価値を生み出す好事例とも考えています」と成果を強調した。

インプレス総合研究所の調査によると、日本国内のドローンビジネスの市場規模は昨年が1841億円(推計)。5年間で5倍以上増やした計算で、2025年度には6468億円にまで急拡大すると予測されている。農業、土木・建築などでの活用に加え、物流での普及拡大が見込まれており、技術の進化に即した規制の改廃・最適化が今後も求められそうだ。

参照:河野太郎ブログ「ドローンに関する規制改革」

 

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