韓流ドラマ的韓国大統領選「100日前の法則」発動で野党候補勝利へ
日韓関係は劇的に回復?- 韓国大統領選まであと100日を切った。野党候補・尹錫悦氏の当確か
- 韓国の世論調査が信用できないが、先を読める「法則」とは
- 「韓流ドラマ」と化す大統領選の裏舞台模様。日韓関係どうなる
2022年3月に大統領選を迎える韓国。左派政権が終了し、保守派に政権交代するのは確実だ。野党の大統領候補が当選すれば、日韓関係は劇的に回復する。文在寅政権の政策を批判しなかった日本の特派員、論説委員と、左派政権に同調した多くの学者、研究者、在日評論家には己が不明を恥じてほしい。日韓対立を「正義の衝突」「アイデンティティー対立」とした解説は誤りだったことが分かるはずだ。
野党候補・尹錫悦氏の当選確実に
韓国の政治、社会状況は、野党候補の尹錫悦氏の大統領当選を確実にしている。選挙の実施は2022年3月9日、当日までちょうど3カ月となった。来年のことを言うと鬼が笑い、また政治の世界は「一寸先は闇」だが、過去の経験からは間違いないといえる。
韓国の有力紙「中央日報」の主筆は12月7日、「朴槿恵、文在寅政権の失われた10年」とのコラムを掲載した。2人の政権は「経済を無視し、失敗した」と述べ、大統領候補に経済重視を求めているが、この時点での主筆コラムは、明らかに尹錫悦候補の当選を先読みしたものだ。尹錫悦当選の流れに乗る動きを、韓国メディアが初めて見せた。
過去の大統領選挙では、投票日の100日前に世論調査1位であった候補が、当選している。例外は、盧武鉉氏の当選だ。当時の100日前の調査では、現代グループ・オーナーの鄭夢準候補が1位だったが、その後逆転。そもそも財閥グループのオーナーを、国民が大統領にすると考えたのが間違いで、国民は財閥優先の利権政治を恐れたのだ。
信頼できない韓国の世論調査
今回の次期大統領選挙100日前の世論調査では、野党の尹錫悦候補が1位だった。12月3日の調査(韓国ギャロップ)で尹錫悦氏の支持率が下落し、与党の李在明氏が上昇、同率の36%に初めて並んだが、6日の発表(韓国リアルメータ)では、尹氏44%、李氏37.5%と再び差が開いた。
「朝鮮日報」紙が指摘しているように、実は韓国の世論調査はあまり信用できない。同紙によると、世論調査会社は多くがヒモ付きだ。背後にどちらかの候補を支援する団体やスポンサーの影がチラつく。
実際、その通りで、私の経験からしても投票日の1ヶ月前にならないと、有権者は世論調査に本心を語らない。自分の名前や本心を明らかにして、権力勢力や情報機関から嫌がらせや圧力を受けるのを恐れるからだ。特に韓国の左派勢力の攻撃や嫌がらせは激しい。ネットで攻撃されるから、政権に有利なウソの解答をしがちだ。
それを差し引いて考えれば、「100日前」の時点で今回の世論調査のように与野党の候補が競り合いながらも野党候補が支持率を上回っていることと、結果との法則の関連が見えてくるだろう。
韓国ギャラップは、比較的信用できる調査会社で対象との面接調査を行なっているが、それでも回答率は20%以下という。いずれにしろ、韓国の世論調査を信用し一喜一憂してはいけない。投票日まで1ヶ月を切ると、大勢がほぼ決まるので、有権者が本当のことを語り始める。
韓流ドラマ的大統領選の病理
さて、韓国大統領選挙には、韓流ドラマの悪役が登場する。当選しそうな大統領候補に、文字通りの詐欺師とポスト狙いの政治家が集まる。韓国の大統領選挙に、嘘つき、詐欺師、陰謀家が群がり、政権を腐敗させる政治劇を私は何度も見てきた。そのため、野党代表や正直な政治家は「ハイエナやハエが群がっている」と述べ、その排除を訴える。
野党の尹錫悦候補にも、すでに詐欺師的政治家やポスト狙いの人物が、「私が票を集めます」と近づき、優秀で清廉潔白な人物を排除し始めている。優秀な人材が来ると、自分がポストを失うからだ。
すでに野党内では、李俊錫代表と尹錫悦候補を仲違いさせようとする動きがあり、両者は一時、口も聞かない関係だと報じられた。これは、尹候補の取り巻きが李代表に遊説スケジュールなどを連絡せず、李代表はずしを狙った行為であった。当選後に、李代表が総理や重要ポストに就くのを妨害する意図があった。
2人の「不仲」は、有権者にも知られるようになり、尹錫悦候補の支持率が急落した。ようやく事態の悪化に気がついた2人は、仲直りし選挙対策委員会を補足させ長老政治家の金鐘仁氏が総括選対委員長に就任し、李代表は選挙企画と広報担当を受任。これで支持率も、再び上昇した。忖度とおべっか、嫉妬が渦巻く「韓流ドラマ」そのものだ。
日韓関係は改善へ向かう
現在の野党から新大統領が誕生したとして、では日韓関係はどうなるのか。
尹錫悦候補は、出馬表明の会見から一貫して「日韓関係を回復する」と述べてきた。当選すれば徴用工への賠償を韓国政府が負担し、慰安婦問題も日本が出資した「いやし財団」の再開も図るだろう。日本は、貿易規制の解除などに前向きに応じるだろう。韓国財界や国民の間にも、日韓関係の改善要望は決して小さくない。
日韓関係の悪化は、左派政権が「反日政策」を支持率維持に利用したことに原因がある。徴用工判決は、慰謝料支払いの証拠を全く示さない法的にも問題ある裁判だったが、日本人特派員と学者の多くはそれを指摘しなかった。
それどころか、日韓衝突を「日韓正義の対立」と分析した。これは学問的ではない「トンデモ理論」で、記者としても研究者としても失格だ。
日本と韓国における「正義の概念」とは何か。そもそも日本社会に「正義の価値と文化」はあるのか、の分析と概念規定も行われなかった。正義の理論は、ハーバード大のジョン・ロールズ教授が本格的に展開したが、日本と韓国では「正義」の研究も論争もなかった。
また「アイデンティティの対立」との理論も展開されたが、これもいい加減だ。韓国は今なお韓国人としての「アイデンティティ」と正統性は何かに悩んでいるが、日本人には正統性の意識は弱く、「アイデンティティ」に悩んではいない。
韓国左派に忖度する「スローガン学者」は、日韓関係を悪化させるだけで、真実も語れない。反省してほしい。
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