フジテレビの年収700万円「どん底」記事にネット民が一斉反発!

パナソニックでも起きた「負のスパイラル」懸念も
ライター/SAKISIRU編集部

12月9日に、現代ビジネスに掲載された「昔は年収2000万、いまや700万 どん底に落ちたフジテレビ社員たちの肉声」というタイトルの記事がネットを中心に話題を呼んでいる。

記事によれば、フジテレビが視聴率3冠を独占していた2000年代初頭は、プロデューサーであれば「40代で年収2000万円」も珍しくなかったという。記事に登場する若手ディレクターは、「今や30代半ばでも年収は1,000万円に届かず、平均700万円台が相場」と嘆息する。かつて250万円や300万円だったボーナスは今では100万円なのだそうだ。記事は、この若手社員に同情的なテイストで描かれていたが、多くのネット民は大反発しているのだ。

東京・台場のフジテレビ社屋(Pierre Aden /iStock)

ツイッター上では、「十分だよ!」「まだもらいすぎだよ」「今の状態でもそんだけ貰えば充分」「十分だよ。こんなの読んだら大半の人が怒るよ?政治家に庶民感覚が!という前にメディアに庶民感覚がない」といった声や「まあ、ゴミのような番組を垂れ流して尚年収700万円って世の中おかしい。この人たちは世の中に何ら寄与していないのにねえ」といった、フジテレビに何か恨みでもあるかのような反応まで確認できた。

記事に登場する若手ディレクターの、「時代が時代なら俺だって2000万円もらえたかも」と嘆息してしまう気持ちはわからないではない。しかし、普通の人にとって年収700万円、ボーナス100万円は十分「勝ち組」だ。上場企業の平均年収だって600万円ほど。今の時代、年収700万円は高所得者と言って良いだろう。

早期退職で危惧される負のスパイラル

また、フジテレビでは社員の給料やボーナスを下げるだけではなく、50代以上、勤続10年以上の社員を対象にした早期退職者募集も行っている。リストラ策の一環でもある、早期退職者の募集は企業にとって辞めてほしくない、優秀な人ほど辞めていくという結果になりやすい。

2020年にコンビニ大手、ファミリーマートが行った早期退職者募集に想定の1.4倍の社員が応募。うち86人が、「業務継続に影響がある」として、早期退職者制度の利用が認められず、会社に慰留されたというニュースは有名だ。

今年9月に家電大手、パナソニックが行った早期退職者募集も同様で、想定を大幅に上回る、国内従業員数の1%以上に相当する1,000人もの社員が応募。パナソニックの楠見雄規社長は、「パナソニックが大きく変わっていくという説明が不十分だった。もう少ししっかりと説明ができていれば、活躍を期待していた人まで退職することにはならなかったと思う」と、会見で異例の後悔を口にしたほどだった。

今回のフジテレビの早期退職者募集でも、フジテレビに見切りをつけた優秀なベテラン社員がどんどん辞めていくということは十分考えられる。そして、会社が傾いていくことを敏感に感じ取った将来有望な20代、30代の若手社員が追随していく、そんな負のスパイラルに陥ってしまう可能性もはらんでいるだろう。

 

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