斎藤佑樹氏、もし政界転身ならどこの党、どこの選挙区から出るか?大胆予想してみた

後ろ盾は?選挙区は群馬「最有力」説もあるが...
SAKISIRU編集長
  • 斎藤佑樹氏が自分の名前の会社設立で話題。政界転身説も再燃中
  • 大学時代に政治家志望を明言した過去。出馬は出身地の群馬有力説も
  • 実際に群馬から出馬する可能性はあるのか。それとも…

プロ野球・北海道日本ハムを今季限りで引退した「ハンカチ王子」こと、斎藤佑樹氏が10日、「株式会社斎藤佑樹」を設立したことを明らかにし、野球ファン以外も含めてネット上の話題を振りまいている。

2019年、東京でのMLB開幕シリーズに登板した現役時代の斎藤佑樹氏(写真:AP/アフロ)

斎藤氏がインスタグラムで明らかにした事業内容では、「野球人生のなかで感じてきた問題意識のようなものがいくつもある」と述べた上で、

例えばですが、野球をする選手やスタッフの働きやすさだったり。野球を見る人たちがもっと楽しめる場づくりだったり。怪我と向き合うときのメンタルの管理だったり。野球をする小中高生の育成だったり。選手のセカンドキャリアだったり。地域との関係性だったり。

など、現場の課題解決を意識したものになるようだ。

引退で政界転身説が再燃

一方で、自らの名前を新社名に入れたあたり、自民党のある議員秘書がツイッターで「将来出馬も満更じゃないタイプ」と指摘していたのをみて、筆者も同感だったのだが、根も葉もない話ではない。

斎藤氏はプロ入り前、大学3年生だった2009年、大阪・茨木市の早稲田摂陵中学、高校での講演会に登壇した際、「野球が終わった後のために、それからのために勉強している。将来は政治家になりたいと思っています」と明言している。ここ最近、引退の話が出た際に、タブロイドメディアやネットメディアが、この時の話を元に政界転身説を再燃させており、気の早い人は来年夏の参院選で出馬するとの憶測まで出ているようだ。

しかし、仮に政治の世界への関心が本気であったとしても、さすがに引退から1年も経たないうちにチャレンジは考えにくい。知名度抜群で、旬のうちにという見方もあるだろうが、まだ33歳。野球一筋で来ただけあって、本格的な実社会の経験を身につけた方が良い。10年後の43歳に初当選してからでも、老練な魑魅魍魎だらけの政界では決して遅くはあるまい。

それに今回、自らの名前を入れた株式会社を設立するという形での「独立」の道を選んだのは、正直意外でもあった。中田英寿氏や北島康介氏らのマネジメントを手掛けてきたサニーサイドアップを始め、いくつかのアスリートマネジメント会社に所属し、スポーツキャスターなどの活躍をすると見られていた。事業をやるにあたってブレーンや後ろ盾は当然いると推察されるが、それでも他の誰かが作った器に乗らず、自ら独自の道を突き進んでいこうという意気込みを見せた点は、見直した部分もある。

それだけに当面は、上述したような野球界の課題解決に地道に取り組む事業を基本的にやるのであろう。大学時代に金融工学を学んでいただけあって、経営に関心が強いのかもしれない。

2010年のドラフト会議で日本ハムの1位指名を受けて記者会見した当時、早稲田大学時代の斎藤氏(写真:築田純/アフロスポーツ)

後ろ盾は早実の先輩、あの大臣!?

ただ、知名度、ルックス、知的な爽やかさ…政治家としてのポテンシャルがあるのは言うまでもない。来年の参院選はなくても将来いつかその可能性が出てきた時、具体的にどの党、どの選挙区から出馬するかというのは、長年選挙を見てきた者として巷の噂をもう少し精度の高い情報にする上でやっておいても損はあるまい。

まず、永江一石氏がツイッターで筆者に対し、野党から出馬して人生を不意にする説を唱えていたが、その可能性は限りなく低いと断言しておこう。斎藤氏が出馬する頃の政治情勢次第とはいえ、現状の永田町の情勢、そして後述する理由から「自民党一択」だと予想する。

ただ、かつて三原じゅん子氏の初挑戦に野田聖子氏から支援されたように、著名人の斎藤氏であっても自民党からの出馬となれば世襲ではないので、有力議員の後ろ盾が不可欠だ。その点、斎藤氏は早稲田実業の人脈が大きな鍵になる

現在、早実OBの自民党議員は萩生田光一経産相と、平将明衆院議員がいる。特に萩生田氏は、斎藤氏の高校時代の練習場(王貞治記念グラウンド)がある八王子市が地元選挙区というゆかりもある。近年も甲子園の始球式に際して、斎藤氏からグローブが贈呈された。文科相経験者として、斎藤氏が考えるスポーツ政策の実現に助言や指導もできるとあって、これ以上ない後ろ盾になるはずだ。

今年夏の甲子園での始球式(萩生田氏ブログより)

11年前の政治家志望発言を報じた当時の日刊スポーツによれば、「将来国政に出馬するなら、愛する地元からが最有力だ」と指摘している。この時の日刊の「佑ちゃん番」はM記者だったと思うが、彼はこの時、報知にいた早大野球部OB(斎藤氏の数年先輩)と張り合うくらい、斎藤氏に食い込んでいた。M記者が書いた記事であれば日頃のオフの雑談などで本音を聞いていたか、角度の高い推測で書いたはずで、斎藤氏が“意中”にしているであろう選挙区は群馬の可能性がやはり高いのかもしれない。

出身の群馬は世襲で枠が一杯

しかし、客観的な事実として群馬ですぐに新規参入するのは非常に厳しい。

群馬は、福田、中曽根、小渕、笹川、尾身、山本…といった宰相も輩出した政治的な「名家」がひしめき合い、選挙区の公認争いが絶えない。秋の衆院選では、群馬1区は現職の尾身朝子氏が有力視されていたのが、比例区からの転出をめざしていた中曽根康隆氏が党員獲得や県内の支持率でリードし、選挙直前に公認を勝ち取るなど、世襲だけで党内競争が非常に厳しい。

なお、斎藤氏の出身、太田市は衆院では2区と3区に分かれている。2区は珍しく非世襲の4期目、井野俊郎氏だが、過去4回はいずれも圧勝。3区の笹川博義氏(笹川堯・自民党元総務会長の三男)は、立民の相手候補の比例復活を今回許さなかった。

一方、参院の群馬選挙区は2000年代に全体の定数が4から2に半減。3年ごとの改選は1人区となって以降は自民党が独占。中曽根弘文氏(康隆氏の父、康弘元首相の長男)、山本一太氏がそれぞれ安定的に議席を確保し、山本氏が2019年に知事に転出してからは、非世襲の県議出身、清水真人氏が後継となっている。中曽根弘文氏は今年76歳だが、すでに来夏参院選の公認は出ている。

maroke /iStock

40歳まで待つか、30代で東京から…

いずれにせよ、斎藤氏が群馬から出たくても自民党に「枠」はない。ただ、中曽根氏が次の1期限りで引退し、2028年の参院選に出馬せず、県連が公募するとなれば一つのチャンスも出てくるだろう。斎藤氏はその時、ちょうど40歳。「転機」としてタイミングは良い。

一方で(可能性は非常に少ないと思うが)早く政界に飛び込みたいとなれば、その知名度を生かし、22年か25年参院選の全国比例に回る算段もある。萩生田氏が選対本部長となり、全国にあまたいる早実OB、そして無党派も含めた野球ファン(野球ファンは高齢化しているのも選挙的には有利)から票を集めれば、元SPEEDの今井絵里子氏が獲得した31万票超えは十分狙えるはずだ。党全体としての比例獲得票にもつながるため、自民党本部としても斎藤氏のような若いスターは魅力的だろう。

衆院の選挙区改正で、10増10減により東京が5増える可能性も強まっている。仮にその通りになれば、次期衆院選、自民党都連は新たに5人の候補予定者を擁立せねばならず、左派野党、小池知事系や維新など第三極との争いも考えると、斎藤氏の存在は魅力的。このほど都連会長に就任した萩生田氏、都連所属の平氏から全面支援を受ける形になり、当選後の派閥は萩生田氏が所属する清和会(安倍派)に入る未来が見えそうだが……本人が現時点で政界への興味を示していない以上、来年どころではない、かなり先の話をしても、鬼に抱腹絶倒されてしまうので打ち止めにする。

斎藤氏はプロ野球で故障にも苦しみ、結果を残せなかった。言い知れぬ悔しさは察して余りある。まずは新事業でぜひ心底納得できる人生を歩んでいただきたい。

【追記11:00】与党のある有力者から指摘を受けて気づいたが、参院北海道選挙区は今後選択肢としてはあるかもしれない。詳しい分析は別の機会に。

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