「寿退社って知っていますか?」塾の先生の問いに、女子高生が答えた内容が話題に

辞書には「結婚を理由に退職すること」とあるが...

大学受験塾の国語講師がツイッターで週末、女子高生に「寿退社」という言葉を知っているかを尋ねた時のエピソードを披露。女子高生の回答が時代の変化を表しているとして反響を呼んでいる。

いらすとや

ツイートをしたのは、都内の大学受験塾で国語講師を務める吉田裕子さん。東大在学中から20年近く大学受験生向けの塾で教壇に立ち、『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)や『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など、日本語に関する著作も多数ある人気講師だ。

その吉田さんが先日、難関校志望者向けのクラスで「寿退社」の言葉の意味について尋ねたのだという。一般的には「女性社員が結婚を理由に退職すること」(小学館『デジタル大辞典』)という意味で認識されているが、以下のツイートのようにユニークなやりとりがあったという。

先日、最難関志望の高3向け授業で「寿退社っていう言葉が昔よく使われていたんだけど、知っていますか?」と聞いたところ、ある女生徒が、「定年まで勤め上げてめでたく退社すること」と回答。そう、もう純粋に寿退社の存在を知らないのだ。そうやって自然に時代は変わっていくのだろうと思っている。

このエピソードを披露した吉田さんのツイートには1日で2万5000を超える「いいね」が付き、5000件以上もリツイートされた。女子生徒の答えに対し、ネット民からは

生徒さんの回答に拍手!そうだよ!定年まで勤めたら寿退社!!めっちゃ納得

あああ〜もう「寿退社」は死語なのですね、、、言語を教えていると時代の移り変わりを感じますよね。

結婚→退職っていうのが時代遅れなんですよね。周りでも結婚しても仕事続けてる方ばっかり。

といった驚きの声が続いたほか、

喜ぶべきか、悲しむべきか。結婚したからと言って、家庭に収まらず社会で働くべきだ、という声と、旦那の稼ぎだけでは家が回らない、という現実的な声。ちょっと複雑な心境になりました。

これ、今や転職当たり前で定年まで勤め上げないのが普通、って意味も含まれていそうで、二重の意味で驚きと言いますか。。

などの世相を論じる人も多くみられた。

吉田さんは反響を受けて、連続投稿。「寿退社」を独特の解釈をするのは男子生徒にもいたようで、次のようにエピソードも披露。

その後、別の男の子が「子どもを産むときにやめるやつでしょ」。私が「いや、結婚するときにやめるの」と説明すると、「え、なんで結婚のタイミングでやめる必要あるんですか?」と、純粋に意味が分かっていない様子だった。

それでも吉田さんは「自然体に新世代でいてほしい」と温かい言葉を贈るあたり、高校生の感性を尊重する人気講師の優しさを感じさせた。

総務省統計局の労働力調査によると、1980年(昭和55年)、専業主婦世帯(男性雇用者と無業の妻からなる世帯)は1,114万、共働き世帯は614万だったのが、その後、前者は減少、後者が増加する傾向が続き、90年代終盤までに逆転。その後は専業主婦世帯が減り、共働き世帯が著しく増え、2020年(令和2年)には前者が571万、後者が1240万と、40年間で真逆になった。

いまの高校3年生が生まれたのは2003年(平成15年)。物心つく頃には共働きが当たり前に増えていく時代に突入しており、寿退社の本来の意味を知らなくても無理はないかもしれない。

 

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