弁護士ドットコム創業者・元榮氏ら有名起業家が、ユニークな少子化対策を提言

「カーボンニュートラルの次は人口ニュートラル宣言を」

弁護士ドットコム創業者で、現在は自民党参議院議員の元榮太一郎氏が12日、ツイッターを連続投稿。日本経済の長期低迷の主な要因とされる人口減少の問題について提起し、独自の打開策を示した。

kuppa_rock /iStock

元榮氏は、20世紀の著名な英経済学者ケインズがかつて、人口減少が企業の投資意欲を縮小させる問題を提起していたとする日経新聞の記事を引用しながら、「ケインズ曰く、人口減は企業の投資意欲を縮こませる。 この記事を読むと人口減がいかに企業や個人の投資マインドを冷やしているのかが分かる」と感想を披露。その上で、「賃上げ税制も良いが、政府は人口減少を例えば2070年に止め、再び人口増を目指す、と言った人口ニュートラルを打ち出すべきでは?」と提起した。

「人口ニュートラル」とは「カーボンニュートラル(脱炭素)」に引っ掛けた言葉のようで、元榮氏は続けて「まさに国家100年の計」と述べており、菅前政権が最重要課題として脱炭素に取り組んだように、国策として人口減少対策をさらに注力すべきとの考えを示したようだ。

元榮氏は「1人の人間は一生涯で5000万円の税収を産むという試算もある。先行投資した人口増の歳出は100年で投資回収するぐらいの大胆な決断が迫られている。出生率向上と定住外国人増のハイブリッドで人口増を目指せば、企業や個人のマインドも変わり、投資家も日本buyに転換するはず」との独自の見方を示した上で、「今世紀の解決すべきセンターピンは、世界は気候変動、日本は人口減少であることは明らか。ここに限られた財源を集中したいですね」と主張した。

さらに一夜明けた13日朝には、経営者出身の政治家らしい視点で具体策も追記。

人口対策のためには、国費を複数年度で運用する基金を作るのが良い。 GDPの需要減を埋め合わせる形の経済対策を守りの財政出動(効果が短期的な意味でフロー型)とすれば、1人生まれれば確実に税収増やGDP増につながる人口対策は攻めの財政出動(効果が長期的な意味でストック型)。

世界に先駆けて人口ニュートラルを目指し、ストック型の国家資源の投下に集中すれば、一時的な財政悪化があったとしても、国際的な評価はむしろ高まるのでは? スターアップ(原文ママ:スタートアップ)の世界でも、積極投資で赤字を掘り続ける成長企業を世界は高く評価しているのだから。

ざっくり言えば、生産性太字の×印人口でGDPは決まる。生産性向上も大事だが、もう一つの変数である人口も経済大国であるためのキーとなる。

などと指摘。「ということで、カーボンニュートラルの次は人口ニュートラルを宣言したら良いと思っています。何事も、ビジョンや目標を掲げることから全ては始まりますから」と結んだ。

元榮氏は慶應大学卒業後の1999年に司法試験に合格。大手弁護士事務所を経て、2005年に起業。法律相談ポータルサイトの弁護士ドットコムの事業化に成功し、14年に上場した。16年に参院選で初当選し、菅政権では財務政務官に就任。来年の参院選には出馬しない意向を示している。

一方、90年代のネット広告企業、日広(現GMO NIKKO)創業者で、現在はシンガポールを拠点に投資家として活動している加藤順彦(よりひこ)氏も13日未明、ツイッターで少子化問題に言及。「少子高齢化対策って早婚へのインセンティブ付与しかないってのが僕の結論で。これはやっぱ行政が取り組むべきかと」と述べ、2014年6月に書いた自身のブログを改めて紹介した。

ブログは「早婚奨励こそが、少子化対策だと思った。」と題し、経営者とみられる知人との会話や当時の新聞記事をもとに、少子化の要因の一部として、女性の初婚や初産の年齢が年々上がっていることに注目。「この状況だと二人目では、ちょっと間空けると、普通に高齢出産・不妊治療ってゾーンになるじゃないですか。そりゃ我が国も少子化になりますわ」との感想を披露した上で、「ほんで早婚奨励 つまり晩産化を防ぐ施策こそが、少子化対策になるなーと、ね。これは真面目な所感として」との問題意識を示していた。

 

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