ニューヨークより緩い?武蔵野市の外国人住民投票参画、条例化へ前進…
民主党系市長の肝煎り政策も、反対論噴出東京都武蔵野市が外国人の住民投票参画の条例化をめざしている問題で、同市議会は13日、市議会の総務委員会で審議され、委員所属の6人の市議の賛否が真っ二つに割れたものの、立憲民主党市議の委員長が賛成票を投じ、委員会を通過した。21日の本会議に最終判断が委ねられた。

条例案では、市内に3か月以上住んでいる18歳以上であれば、国籍を問わずに投票権を認めるもの。住民投票の発議には4分の1以上の市民の署名が必要で、条例案に法的拘束力はないなどの一定のハードルを設けているものの、議会と市長は住民投票の結果を尊重することを求めている。
住民投票への外国人参画は、民主党系都議出身の松下玲子市長の肝煎り政策。しかし松下氏が2期目の当選を決めた10月の市長選では選挙公報などで明確に公約を掲げておらず、疑問や批判が噴出していた。
特に保守層から激烈な反対運動が展開され、大手メディアでも“最右翼”の産経新聞に加え、中道右派の読売新聞も参戦。2日付の社説で「外国人参加を安易に考えるな」と反対の姿勢を示していた。
この日の市議会総務委員会には、条例案の廃案や継続審議を求める請願も提出された。市議会はネット配信を通常しているものの、この審議の模様は何故か中継されなかった。大手メディアの報道によれば、自民・公明の市議から「市内に長く暮らす日本人と、住んで3カ月の外国人とを同じレベルで考えるのはナンセンス」「市民の間で理解が進んでいない」「広い意味で参政権になると思われ、安全保障上の問題もある。日本人と同じ設定というのはどうなのか」などの反対論があったという(参照:朝日新聞、NHK)。
これに対し、市長与党の立民や共産などは条例案に賛成の意思を示し、朝日新聞によると、「今や外国籍市民はコミュニティーの一員。受け入れるのにふさわしいかを議論すること自体に違和感がある」とまで述べる市議もいたという。
条例案が本会議に回ったことを受け、条例案に反対してきた自民党の長島昭久衆院議員はツイッターで、「なお予断を許さぬ情勢ですが、武蔵野市議の賢明な判断に望みを繋ぎたい」とコメントした。
ニューヨークは参政権を認めたが…
折しも米ニューヨーク(NY)市では今月9日、市長選などの地方戦での投票権を外国人に認める州法案が可決された。米ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、市議会での採決は賛成33、反対14。これにより約80万人の外国人が地方参政権を得ることになり、アメリカ国内での同種の制度としては最大規模になるという。
武蔵野市の条例推進派の中には、このNYの動きを“追い風”にとらえる向きもあるようで、投票に必要な居住要件は、NYが市内に30日以上と、日数は武蔵野市の3か月よりも一見少ない。
しかし、事は参政権に関わることでそもそもの「前提条件」がある。永住権(グリーンカード)を持つ人か、就労が合法的に認められた人に限られている。永住権は、アメリカ国民の配偶者や、米国内に100万ドル以上の投資を行なった人、文化・芸術、学術などで傑出した業績がある人などを対象にしており、申請期間だけでも短くて1年ほど、数年を要することも多い。一方、就労ビザは、永住権より取得は容易だが、季節労働従事者の多い「非熟練労働者」のカテゴリーでも雇用主の証明を要するなどの一定の要件がある。
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