橋本聖子会長の「バッハ会長の目は札幌」発言に、ネット民「こっち見るな!」

「負の遺産」長野の教訓は...
ライター/SAKISIRU編集部

東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長は、2030年に札幌市が招致を目指す冬季オリンピックについて「(IOCの)バッハ会長の目というのは札幌に向けていただいていると思う」と述べた。13日に放送された札幌テレビ放送(STV)の単独インタビューに答えたもの。

このニュースを受けて、ネットは橋本会長およびバッハ会長への批判の声であふれかえっている。ツイッターでは、「こっち見るな」「もうこりごりです」「お願いだからやめてくれとしか思わない」といった声が大半を占めており、賛成や歓迎の声はほとんどなかった。

橋本聖子氏とバッハ会長(昨年1月、在スイス日本国大使館サイトより)

著名人の多くも、札幌市の冬季オリンピック招致には問題があると考えているようで、賛成派は皆無。映画『はりぼて』を手がけたドキュメンタリー監督の五百旗頭幸男氏は「バッハ会長の目は札幌に向いているからといって目を合わせる必要はありません」と一刀両断。先の衆議院選挙で北海道7区に立憲民主党から出馬し、落選した弁護士の篠田奈保子氏も「まずは、今回の東京オリンピックの収支を明らかにしてくださいませ」とツイート。

英国の軍事専門誌『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』東京特派員で、国際ジャーナリストの高橋浩祐氏は、ヤフーニュースに次のようにコメントした。

「国論を二分した今夏の東京五輪開催から、舌の根も乾かぬうちに札幌五輪誘致に突き進む大会組織委員会の橋本会長。他国では、巨額で常に膨れ上がる開催費の負担から誘致に尻込みをする都市が近年圧倒的に多いのだが、日本はいったいどうしたことか。まず東京五輪の反省や総括を先にすべきではないか」

さらに、「札幌市の借金にあたる市債残高は、昨年度時点で過去最高の1兆987億円に上る。市の財政が厳しき折、市民は本当に五輪開催を望んでいるのだろうか」と、札幌市の財政面からも冬季オリンピック招致の危険性を指摘した。

「負の遺産」長野は700億円、完済20年

東京オリンピック開催にかかった費用の総額は、1兆5,000億円ほどと見られているが、招致段階では7,300億円だった。実に、2倍以上に膨れ上がっているのだ。冬季オリンピックと言えば、日本では1998年に長野で開催されている。長野オリンピックも、開催2年前の段階で945億円だった大会運営費は、1141億円に膨らんでいる。

長野オリンピックの聖火台(作・月舟/写真AC)

さらに、冬季オリンピックの「負の遺産」にその後、長野県は長期にわたって苦しめられることになる。たとえば、大会開催前から維持費の問題が指摘されていた「長野市ボブスレー・リュージュパーク」は、約100億円の費用を投じて建設された。しかし、もともと競技人口が少ない競技だけに、オリンピック後の利用者は限られた。結局、毎年2億円もの赤字を垂れ流し続け、2017年に長野市は競技施設としての利用を断念した。

こうした施設の建設費用などのために長野市が借り入れた金額は、利息を含めると約700億円。完済したのは2018年だ。オリンピック開催で負った借金を返し終えるのに20年もの年月を要した。

札幌市は現段階では、大会経費の総額を最大3,000億円、うち札幌市が負担するのは450億円程度と試算している。さらに、「施設の多くは新設ではなく、建て替え」と説明しているが、果たして……。

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