関西スーパー経営統合決着:オーケー側の「引き際」にネット民好感?

「後出しジャンケンを認めた」司法判断に懸念も

関西スーパー(本社・兵庫県伊丹市)とエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O、同・大阪市)傘下の企業(イズミヤ、阪急オアシス)との経営統合を巡り、株主総会の投票に疑義があったとして、同社の買収をめざしていたオーケー(同・横浜市)による差し止め請求は、最高裁まで争われた末、オーケー側の申し立てを退ける判断を下した。

Lowell Silverman /Wikimedia Public domain

この経営統合は、10月29日の株主総会で統合の賛否を尋ねる投票を集計した後、1社の株主が誤って「棄権」したと主張。統合を認める有効比率の約66%に達するか際どい攻防を繰り広げた末に、この「棄権」票が「賛成」票に置き換わったことで、66.68%の僅差で経営統合を認める結果となった。前代未聞の展開に、オーケー側は異議を唱え、11月9日に統合手続きの差し止めを求める仮処分を神戸地裁に請求した。

地裁は同月22日にオーケー側の請求を認め、統合は一時「白紙」になりかけたが、関西スーパー側も30日に大阪高裁に抗告。こんどは高裁が関西スーパーの申し立てを認める逆転判断となり、オーケー側が最高裁に抗告していた。専門家の間でも見方が割れる展開で司法の最終判断が注目される中、最高裁小法廷は14日、オーケー側の抗告を認めず、株主総会から46日間続いた闘争は、結局、関西スーパー側に軍配が上がる形で決着した。

オーケーの都内店舗(Nankou Oronain /Wikimedia CC BY-SA 3.0)

ただ、ここまでの法廷闘争は仮処分の是非を問うものに過ぎなかった。オーケー側が正式な訴訟に打って出れば、さらなる長期戦もあり得たが、結局、オーケー側は最高裁の判断が出ると、即日で声明文をアップ

弊社といたしまして、このたびの最高裁判所の判断により最終的な司法の考えが示されたものと真摯に受け止め…(略)…本訴を提起する ことはいたしません」とキッパリ。経営統合を判断する株主総会で、敗れた側に認められている保有株の買い取り請求権を行使し、関西スーパー側に全て売却する意向を示した。さらに声明では、「弊社提案の実現こそ叶いませんでしたが、かつて大変お世話になった関西スーパー様が、この度のイズミヤ様及び阪急オアシス様との経営統合のご成功により、今後、益々ご発展されることを心よりお祈り申し上げます」とエールを贈って結んだ。

また、NHKニュースによると、オーケーの二宮涼太郎社長はオンラインでの記者会見で、「関西に出店してほしいという声もいただくので、進出に当たっていろいろな選択肢を真剣に検討していきたい」と述べ、関西進出へ、違う形での捲土重来に前向きな意思を示した。

買取請求の株価の問題こそ残っているが、ネットではオーケー側が潔い判断をしたと受け止められているようで、ツイッターには

引き際の潔さも、今後に対しての前向きな姿勢も、やっぱりオーケーは良いな〜と感じる

TOB提案から紳士的なオーケー

いいですね、こういう「矜持を持った」行動は。我々もかくありたいなと思います。

と好感を持つ人も。

一方で、株主総会の投票締め切り後に判断を覆る「前例」が確定した点については、

ガバナンスの専門家ではないが、それなりに株式投資をしている人間の個人的感想としては、正直意外

なかなか微妙な判例を作っちゃったな、これ。救済措置と言えなくもないが、後出しジャンケンを認めてしまったことで悪用されそうな悪寒。

などと、今回の展開に疑問を持つ人たちの声も少なくなかった。

最高裁の判断を受け、関西スーパーはこの日、H2O側との経営統合が成立したことを正式に発表。ただ、関西スーパーの株価は前日比20%超ダウンの1,104円に急落、「失望売り」(読売新聞)と受け止められている。

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