中外製薬がコロナ飲み薬の開発断念、厚労省の「補助金返還要請」にネット炎上

「開発失敗したからって金返せはありえない」
ライター/SAKISIRU編集部

中外製薬は16日、新型コロナウイルスの飲み薬として開発を目指していた「AT-527」について、開発を終了すると発表した。

数多くのメディアがこれを報じたが、なかでもネット民の注目を浴びたのが読売新聞の記事だ。「中外製薬、コロナ飲み薬の開発断念…厚労省は補助の一部返金求める」と題された記事の中で、ネット民が強く反応したのは、「厚労省は補助の一部返金求める」の部分。読売によると、厚生労働省は「AT-527」の開発に対する補助金の一部返金を求めるという。

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ツイッターでは、「失敗したら金返せ?じゃあ国会議員の給与も95%ぐらいは返納して」「創薬の世界で効果が確認できない薬なんて日常茶飯事なのに、その分のお金返せと言ってたら薬創る人なんていなくなるよ」「日本が世界の中で落ちぶれた理由がよくわかる。開発失敗したからって金返せはありえない」といった声が寄せられ、炎上気配だ。

なかには、「アベノマスク保管費用より安い」と、アベノマスクを引き合いに出す声も見られた。15日に松野博一官房長官が「希望する自治体や個人に配布する」と発表したいわゆるアベノマスク。厚生労働省によると、全世帯送付にかかった費用は260億円。現在でも8,000万枚を超える在庫があり、保管には年間6億円の税金がかかっている。対して、「AT-527」の開発に関して、厚生労働省が決めていた補助金額は4億5,800万円。

アメリカ政府が、新型コロナウイルスのワクチンや治療薬へ助成した金額は今年3月時点で、約193億ドル(約2兆2000億円)。もちろん、アメリカと日本を単純比較はできないが、国を挙げて行うべき画期的な治療薬の開発への補助金がわずか4億5000万円程度とは寂しい限り。さらに、開発を断念したからと言ってそれを返せというのでは、ネット民が指摘する通り、この先、リスクを冒してまで新薬開発に名乗りを上げる企業がなくなってもおかしくないだろう。

また、中外製薬が撤退を決めたことについて、英断だと見る向きも少なくない。ネット上では「早めに手を退けたのは、むしろ英断と言えるだろう」「見切りをつけた撤退は英断でしょう」といった声が寄せられた。

経営コンサルティング会社「Aurea Lotus」代表の柳下裕紀氏は「サンクコスト(埋没費用)に囚われない迅速的確な経営判断ですね」と、撤退を評価していた。

なお、このニュースを受けて、中外製薬株は3810円(16日終値)から、17日は一時3666円に値下がりしている。

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