大阪のビル火災:火元のクリニック院長が語っていた患者への思い

リワーク(復職)支援に熱心、安否を気遣う声
ライター/SAKISIRU編集部

17日10時20分頃、大阪市北区の繁華街・北新地にある「堂島北ビル」(8階建て)で火災が発生した。この火災で男性17人、女性10人の計27人が心肺停止状態で搬送され、NHKニュースは20時時点で24人が死亡したと報じている。2001年9月、44人が死亡した、東京・新宿の「歌舞伎町ビル火災」からちょうど20年の今年、悲劇は繰り返されることとなってしまった。

火災のあった大阪・北新地のビル「堂島北ビル」(中央建物)。火元のクリニックは4階(写真:アフロ)

火元になったのはこのビル4階に入居する「西梅田こころとからだのクリニック」。心療内科や精神科などの診療施設だ。クリニックのホームページによると、院長の西澤弘太郎医師は、1997年に埼玉医科大学を卒業。近畿大学医学部第2内科に入局し、奈良県内の病院や大阪府内の心療内科クリニックの勤務医を経て、2015年に現在のクリニックを開業した。

西澤医師は、発達障害の人に対する支援事業などを手掛ける株式会社Kaienが行ったインタビューで、クリニックを開業した理由を次のように述べている。

私はもともと内科医・産業医をしていたのですが、うつになったり精神的に苦しくなっても、働いている人が夜間に行けるクリニックがほとんどないと感じていました。ですので自分で開院してみようと思ったのですね。今もその方針に変わりなく診察が23時近くまでなることもあります。

誠実で熱心な医師だったようで、ツイッターでも西澤医師やクリニックスタッフの安否を心配する患者とみられるツイートが数多く確認できた。

また、クリニックは精神疾患などを原因として休職している人に対して、職場復帰に向けた「リワーク・プログラム(復職支援プログラム)」にも力を入れていることで知られていた。リワーク・プログラムでは、グループミーティングやオフィスワーク、対人技能訓練などが行われる。基本的には集団で行われるものだ。西澤医師はインタビューで、リワーク・プログラムについて次のように語っている。

小さな職場だと、障害者枠ではないものの、障害のことをオープンにする事例も増えていると思います。ただし、大企業の場合は社内の制度などの壁があって、一般雇用のままで配慮を受けて働くのは難しい。かといって自社内で障害者雇用に簡単に変わるわけでもない。現場の人たちは対応に困られていて、本人も苦しくて、という状況が続いてしまい難しいですね。発達障害があり、正社員の場合だと、リワークに通って復職を目指す方が多いですね。

このクリニックで診療を受けているという匿名アカウントはツイッターに、「私の通っている病院。あそこ昼行くといつも20人くらい待っている。リワーク・プログラムしてるときはかなり混むし診察室は一番奥」などと綴っている。

NHKは捜査関係者の話として、「現場では紙袋を持った60歳くらいの男性がいて、紙袋の中から流れ出た液体の付近から出火したという目撃情報がある」と伝えた。大阪府警は放火の疑いがあるとみて調べているが、いったい何があったのか…。

【17日20時45分】亡くなられた方の数など、最新情報に更新しました。

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