前澤友作氏の宇宙写真がNFT化!…だけど、そもそもNFTって何?

NFT記事初執筆で考えた前澤氏の宇宙旅行の意義
ライター/SAKISIRU編集部
前澤友作氏(写真:ロイター/アフロ)

宇宙旅行中の起業家、前澤友作氏が今度は“NFT”を発行するという。前澤氏は日本時間の16日、次のようにツイートした。

「宇宙で撮った初めての写真をNFTにしました。作品タイトルは「Rendezvous(ランデブー)」宇宙から発行された世界初のNFTです」

NFT化される前澤氏の写真は12月8日の13時35分、地上420kmから撮影されたものだという。美しいカリブ海、そのカリブ海に浮かぶ島々が収められている。「Rendezvous」は、この写真のほか、船内の写真や動画、撮影情報などを1つにまとめた作品としてNFT化し、売り出される。NFT化にあたっては、NFTに特化したブロックチェーン「Palette」を採用しているという。

そもそもNFTって?

NFTとは「Non Fungible Token」の略語で、日本語では「非代替性トークン」と訳す。今年の流行語大賞の候補にも入っていたそうだが、それでも「NFT」のことを知っている人はまだまだ少ないのではないか。

かく言う筆者も、実はよく分かっていない。サキシルでも特集ページをやっていることもあり、調べてみたところ、NFTには「替えが利かないデジタルデータ」という意味合いがあるらしい。希少性が高く、多くのユーザーが欲しいと思えばそのNFTの値段は高くなるのだそうだ。このあたりは、絵画に似ているのか。

身近なものでたとえれば、数千円も出せば野球のグローブは買える。どこのスポーツショップにも売っている。この何の変哲もないグローブに、たとえば大谷翔平選手のサインが記されていれば、価値はいくらになるだろうか。見当もつかないが、「数百万円出しても欲しい」というコレクターもいるだろう。これをデジタルデータに置き換えてみると、一般的なデジタルデータが普通のグローブであれば、NFTは大谷翔平選手のサイン入りのグローブということか。そうなのか?

今年3月、ツイッター社のジャック・ドーシーCEO(最高経営責任者)が、自身の初めてのツイートをNFTとして競売にかけた。

「just setting up my twttr(twttrをセットアップしている)」

というこのツイート。競売にかけられた結果、何と約290万ドル(約3億1500万円)で落札されたのだ。高額NFTはこれだけではない。アメリカの大手メディア、ニューヨークタイムズのコラムがNFTオークションに出され、約55万8000ドル(約6100万円)で落札された。このコラムを落札したのは、@3FMusicというユーザー。@3FMusic氏はこのコラムの所有権を得たほか、このオークションについて今後、執筆されるコラムにも登場する権利を得たという。

まだ大儲けできる可能性?

デジタルデータをNFT化し販売する動きは、日本でも見られている。今年9月、プロ野球の埼玉西武ライオンズは日本球界で初めてNFTコンテンツを販売した。限定1個の販売となった「栗山巧選手2000安打達成記念パネル」は、パネルとパネルの動画データがセットで、価格は20万円からの入札方式で販売された。

栗山選手のNFT(プレスリリースより)

Jリーグは、リーグ全体でNFTを推し進めており、今年8月にはNFTを活用した「Jリーグオフィシャルライセンスゲーム」をリリースしている。ゲーム内で育成した選手データはNFT化し、ユーザー同士で売買できるという。

NFTはまだまだ始まったばかりの概念で、NFT界にはまだグーグルやアマゾン、フェイスブックのようなビッグプレイヤーはいないらしい。専門家によると、これから将来のマーク・ザッカーバーグやジェフ・ベソスが生まれてくることが期待されているのだそう。つまり、いま何かしら動き出せば、彼らのように大儲けできる可能性があるわけだ。

前澤氏は、自分のお金を使って行きたかった場所を旅行しているだけなのに、なぜか意義を問われている。「金持ちの道楽だ」なんて声も聞かれるが、何がいけないのか。少なくとも筆者にとっては、まだまだブルーオーシャンに見えるNFTの存在を知らせてくれたという意味で、前澤氏の宇宙旅行が果たしてくれた役割はあった。

 
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