「国際的に極めて異常なガラパゴス規制」新経連、電気通信事業法の改正に懸念表明

LINE問題でネット企業の「網かけ」加速

新経済連盟(代表理事:三木谷浩史・楽天会長兼社長)は17日、国が年明けの通常国会に提出する電気通信事業法の改正案の方向性について「デジタルビジネスのみならず、日本社会のデジタル化全体にとって深刻な負担や阻害要因となるおそれが高い」として懸念を表明した。

新経連・三木谷浩史代表理事(写真:つのだよしお/アフロ)

改正の動きは、LINEの個人情報問題を機に加速したもので、総務省は今年5月に有識者で構成する「電気通信事業ガバナンス検討会」をスタート。これまでの同法が固定電話時代の名残りでインフラ面を主体にした規制だったところから、ネットサービスが普及した中での利用者保護を重視するルールへの転換をめざしている。具体的には、これまで同法で規制外だった通信アプリなどを取り扱うネット事業者を対象とし、SNSの個人データ保護もさらに強化することが焦点だ。

一方で、検討会の議論は非公開で行われてきたことから、事業者側の警戒は強い。新経連は声明で「半年間の非公開の会合で行われた拙速な議論に基づきこのような重大な改正を行おうとしていること自体にも大きな瑕疵がある」と指摘。さらに声明や資料では、

①ネット利用企業/デジタルサービスを広範に網にかけることでDXで普及するIoTなどの事業にも影響が出る
②個人情報保護法との二重規制や過剰規制につながりかねない
③チャットやメッセージ機能をつけるだけで総務省への届出を求めることなどが「国際的に極めて異常なガラパゴス規制」にあたる

--との見解を示している。特に②については2つの法律を正確に理解した上で対応を求められることが予期されるため、法的な実効性への疑問や、不透明な裁量行政によるDXへの障害を強く懸念しているようだ。

ただ、事業者を取り巻く情勢は厳しい。LINE問題をきっかけに、SNSなどのサービスを取り扱う事業者への規制や、経済安全保障の潮流で中国や韓国に利用者データが流れることへの懸念に世論が傾いている状況になっている。

以前からデジタル規制に前向きな読売新聞は、同法改正の動きを取り上げた解説記事(15日朝刊)で、LINE問題のようなケースは、利用者情報の設置国を明らかにする義務に違反することになり、今後行政処分の対象となると指摘。規制派の有識者の意見を紹介した上で、デジタルサービスの複雑多様化に対応するため「デジタル時代に利用者を守るには、省の壁を越えてでも、『デジタルサービス法』への脱皮が求められている」と踏み込んだ。

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