コロナ禍は東京への人口集中を変えるか?#1

自民党政調でテレワーク推進論
  • コロナで東京一極集中解消なるか。自民党政調会の議論から展望する
  • 政調会でテレワーク議論活発化。安倍前首相のブレーンらリモート推奨
  • 自民党内でこれまでになくテレワークに肯定的な議論。今後に注目

コロナ禍で政府が国民に実践を求める「新しい日常」。マスクの常用と並び、多くのビジネスパーソンにとって最も直接的に感じられた変化が、自宅などオフィスから離れた自由な場所で働くことができるテレワークの一般化ではないだろうか。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の象徴とも言えるこの働き方の変化は、わが国の保守政治が長年にわたり取り組みつつ実現できなかった最大の政策課題、東京一極集中解消に向けた切り札になるとの見方も出ているようだ。自民党政務調査会の議論を追って今後の動きを占ってみよう。

Mlenny/iStock

自民政調でテレワーク議論

テレワークが一般化することで、オフィスへの通勤に便利な都心部ではなく、家賃が安く、生活環境のいい地方に住みたがる人が増加していく可能性がある。

一方で、小泉純一郎政権の誕生まで長らく「非都市型」政党とされてきた自民党にとって、地方の豊かさを実現する「国土の均衡ある発展」(田中角栄)の実現は長年の課題だった。近年においても、安倍晋三政権は地方創生を内閣の主要課題に据え、専任の担当大臣を置き、地方創生交付金による手厚い予算措置を行うなど取り組みを進めたが、東京に集中する人の流れを変えるまでには至らなかった。

自民党政務調査会の中で、テレワークを含めた働き方改革を議論する中心は雇用問題調査会だが、首都移転構想を主要アジェンダとしている「社会機能移転分散型国づくり特命委員会」においても、テレワークの推進に向けた議論が活発に進んでいる。

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