「MMTとリフレ派の主張は幼稚な感覚論」アトキンソン氏が苦言

「財政出動さえすれば...」は夢物語
デービッド・アトキンソン氏(財務総合政策研究所サイト)

経済論客として、最低賃金引き上げの持論で知られるデービッド・アトキンソン氏(小西美術工藝社社長)が26日、ツイッターに連続投稿。日本の長引く低成長の主な原因に財政を挙げているMMT論者らの考え方に疑問を示した。

アトキンソン氏は「経済成長率が低迷している原因は財政だけにある考え方は無責任な責任転換です」と切り出し、「GDP=C+I+G+NXです。 個人消費と投資と政府と輸出入によって構成されています。 Gだけで出来ているわけではないです」と反論。

その理由として「1990年代に入ってから、デフレ・インフレ関係なく、個人消費が増えて、政府支出も増えているにも拘らず、企業の設備投資が減少して、輸出入の貢献も減った結果です」「企業は、売上が増えているにも拘らず、労働分配率を下げた分だけ設備投資を増やしていないから、内部留保が増えて、個人消費と政府支出の増加を吸収して来ました 」と指摘し、需要がないから経済が低迷しているというMMTの見方を否定した。

さらにアトキンソン氏は、新しい資本主義を掲げる岸田政権の課題について「どうすれば、投資を増やして、分配率を上げることです」と述べた上で、「財政出動さえすれば、自動的に投資が増えて、労働分配率が上がるというのは、企業が実現してもらわないと行けないというミクロ要因を無視した、夢物語に過ぎません。単純過ぎます」とバッサリ。

需要を増やせば、物価は上がると同じ愚論です。物価は需給だけで決まるものではないです。企業が上げないと行けない、人間の行動を伴わないと行けません」「経済はマクロとミクロの集大成ですから、どちらかが正しいわけではないです。 人口増加要因のない日本にとって、経済成長は生産性向上しかないです」などと持論を述べた上で、需要不足が低成長の要因としているMMTとリフレ派の主張について「言葉ができない、幼稚な感覚論に過ぎません。その程度で回復をするという考え方は、世界第3の経済を馬鹿にしている単純すぎる理屈」と厳しく評した。

このアトキンソン氏の投稿に、フォロワーからは

非常に大事な言葉。生産性向上=コスト削減ではない。この勘違いが根本原因な気がする。

と同調する意見も。また、経済学者の池田信夫氏はリプライする形で「国内需要が不足していることは明らかだが、それを財政バラマキのような短期の需要で埋めてもだめ。長期的な需要不足を解決するには、円安や法人税減税で国内投資のコストを下げるしかない」などとツイートしていた。

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