【追悼2021】今年お亡くなりになった著名人を偲ぶ
「知の巨人」、人間国宝、35歳の歌姫...今年も残すところあと2日となった。毎年のことだが、今年も多くの方が亡くなった。芸能界や経済界、政界などの著名人に限ってみても、数多くの方々が世を去られた。SAKISIRU(サキシル)編集部が注目した今年の訃報を振り返り、読者の方とともにあらためて故人のご冥福をお祈りしたいと思う。
立花隆さん

「知の巨人」と評された評論家でジャーナリストの立花隆さん。4月30日に急性冠症候群のため亡くなった。80歳。
立花さんの訃報に際して、共産党の穀田恵二国会対策委員長は会見で次のように述べた。なお、立花さんには、戦前の共産党を批判的に描いた著作「日本共産党の研究」がある。
立花さんの一つ大きなお仕事というのは、「田中角栄研究」だということだと思いますよね。「日本共産党の研究」も書かれていますけどね、それはどうかと(笑)……。それについてはあんまり肯定的に見ることはできませんけれども。政治と金の問題や田中角栄氏の問題を追及したのは大きな功績だったと思います。
立花さんの訃報に際して、政府は加藤勝信官房長官(当時)が次のようにコメントした。
謹んで哀悼の意を表させていただきたいと思います。入念な取材と綿密な裏付け調査に基づき、政治分野をはじめ、宇宙、医療など幅広い分野で精力的に著作を発表され、数多くのベストセラーを世に残されたわけであります。後進の指導にも注力され、教え子の中には、記者、編集者の道を進まれた方が多いとお聞きしています。たぐいまれな知的好奇心に基づきさまざまな分野で著作を残され、『知の巨人』とも呼ばれる立花隆さんのご逝去、心からご冥福をお祈りするところであります。
小林亜星さん

生涯に6000曲以上を残した作曲家で、TBSドラマ「寺内貫太郎一家」シリーズでも知られる小林亜星さん。5月30日、心不全のため亡くなった。88歳。
小林さんが手掛けた「この木なんの木、気になる木」のフレーズでおなじみの「日立の樹」をCM曲として使用している日立製作所は、次のような追悼コメントを出している。
小林亜星さんには、弊社のCMソング『日立の樹』の作曲を手掛けていただきました。今では多くの方々にもお聴きいただいており、また、日立グループの顔とも言えるCMソングになりました。1973年にCMソングが誕生してから約48年、長きにわたるお力添えに深く感謝いたしますとともに、衷心よりお悔やみ申し上げます。
千葉真一さん
アクション俳優として活躍し、海外での知名度も高い千葉真一さん。8月19日に新型コロナウイルス感染症に伴う肺炎で亡くなった。82歳。
サキシルでは8月20日付けの記事で、千葉真一さん死去を報じている。記事では、千葉さんがワクチン接種をしていなかったことに触れ、ネット上に寄せられたさまざまな意見をまとめた。
HPVワクチンの推奨活動もしている実業家の堀江貴文氏は「ワクチン打ってて欲しかったですね、、」と無念のツイート。
これに対し、漫画家の小林よしのり氏は一夜明けてブログを更新し、「千葉真一は自分の意志でワクチンを拒否したらしい。さすがだ!千葉真一は美学を貫いた」「ヒステリック臆病のコロナ脳の連中には、絶対、理解できない価値観なのだろうが」などと独自の見解を示していた。(8/20掲載「千葉真一さん死去でワクチン議論加速か」)
さいとう・たかをさん
「ゴルゴ13」で知られる劇画家のさいとう・たかをさん。9月24日にすい臓がんのため、亡くなった。84歳。
サキシルでは、9月29日付けの記事で、新聞記者時代にさいとうさんを取材した新田編集長の追悼記事を掲載。記事の中では「ゴルゴ13」の原点となった、さいとうさんのエピソードを紹介している。
さいとうさんは5人兄弟の末っ子でお兄さんたちと年が離れていたこともあってか、「幼いころから理屈っぽく、何にでも疑問を持つところがありました」という。テストの時には「こんなクイズで人を評価できるのか」と、屁理屈をこねて白紙の答案を出すこともあったようだ。
しかし中3のとき、担任の先生から「白紙で出すのは構わないが、その責任は自分で取らなければならない」と言われたことでハッと気づくことがあったようだ。取材当時、古希を迎えていた、さいとうさんだったが、「この先生の一言が責任を持って社会で生きることを私に教えたのです。衝撃的な体験でした」と懐かしそうに語っていたのが印象的だった。
そのエピソードがなぜ「ゴルゴ13」の原点なのか。担任の先生の名字が「東郷」。デューク・東郷のネーミングに選ぶほど先生の存在が大きかったのだ。
(9/29掲載:『ゴルゴ13』さいとう・たかをさん死去、生前取材した際に筆者に語った「原点」)
すぎやまこういちさん

人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの音楽や、中央競馬G1競走のファンファーレなどで知られるすぎやまこういちさん。9月30日、敗血症性ショックのため亡くなった。90歳。
サキシルでは、すぎやまさん死去に際し、編集者として仕事を共にした梶原麻衣子さんが追悼記事を執筆。記事では、すぎやまさんの音楽の原点を紹介しつつ、テレビでは紹介されない政治的発言をするようになった理由についても綴られた。
ハーモニーを聴く耳を鍛えられたのはなぜかというと、なんと来襲する敵機の爆音を聴いてどの飛行機かを当てるために耳の訓練をしたからなのです。音楽の時間に先生が足踏みオルガンをCコードで「ブーッ」と鳴らし、「これは何でしょう」と訊く。僕が「はいっ!」と手を挙げる。「はい、椙山君」「ハホト」、「正解」というわけです。当時は「ドレミファソラシド」ではなく「ハニホヘトイロハ」だったんです。
(13歳だった)昭和19年には母の実家のある大分県竹田市へ疎開しました。大分へ向かうすし詰めの列車の中で二日間を過ごしました。寒い中でしたが、新聞紙を体に巻いてしのぎました。新聞の見開きの真ん中の部分に穴を開けて頭からすっぽりかぶり、その上から上着を着ると暖かいのです。そうして、家族で歌を歌いながら励まし合いました。
(10/8掲載:すぎやまこういちさん追悼:ドラクエと戦争体験と「保守思想」)
中村吉右衛門さん

歌舞伎俳優で人間国宝の中村吉右衛門さん。11月28日に心不全のため亡くなった。77歳。吉右衛門さんの実兄で同じく歌舞伎俳優の松本白鸚さんは、報道各社に追悼コメントを寄せている。
別れは何時の刻も悲しいものです。今、とても悲しいです。たった一人の弟ですから。幼い頃、波野の家に養子となり、祖父の芸を一生かけて成し遂げました。病院での別れの顔は、安らかでとてもいい顔でした。播磨屋の祖父そっくりでした。
神田沙也加さん
ミュージカル女優の神田沙也加さん。俳優・神田正輝さんと歌手の松田聖子さんの長女でもある神田さんがわずか35歳で亡くなったのは12月18日。サキシルでは、突然の訃報が伝えられた19日未明に急死を報じている。
“日付が19日に変わった直後の未明、突然の訃報が報じられ、SNSは驚きや悲しみの声が広がった。神田さんは2010年からツイッターを開始しており、22万のフォロワーを擁していた。最後のツイートは今月8日付。フジテレビ系FNS歌謡祭に「マイ・フェア・レディ」の特別ステージを披露する予告だった。”
今年、お亡くなりになられた方々のご冥福をあらためてお祈り申し上げます。
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